補助犬育成、無償貸与にコロナ禍の影響 頼みは寄付、CFで募る

黒田陸離
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 身体障害者補助犬盲導犬介助犬聴導犬の総称)を無償貸与している日本補助犬協会(横浜市旭区)が、2年続けてクラウドファンディング(CF)を実施している。コロナ禍で寄付を募る活動が限られ、貸与の希望に応えきれない状態が続く。今年度のCFは今月29日まで。

 補助犬はペットとは異なり、特別な訓練と認定を受け、補助犬であることを示すゼッケンなどを着けて活動することが、法で定められている。協会では1年ほど訓練し、早くて2歳から利用者とともに暮らす。そして人間でいうと還暦近くの10歳を過ぎると、徐々に引退していく。現在は協会で育った51頭が、利用者とともに暮らしている。

 浜松市に住む松本里美さん(42)の元には今年、トイプードルの聴導犬サリーが協会からやってきた。昨年度のCFで育ったサリーは、すでに10種類の音に反応できるという。「出来をほめると全身でうれしいと表してくれる。頼もしい同志です」

 それまでの9年間はチワワの聴導犬と過ごした。電話やタイマーの音を教えてくれるだけでなく、聴導犬を見た周りの人が助けてくれることが増えた。「どこでも100%の緊張を強いられることがなくなった」と言い、大好きなラグビー観戦にも積極的に行けるようになった。

 時には後ろから来た自転車やバイクに気づくのが遅れ、怒鳴られることもある。そんなときは胸に抱いた聴導犬が心の支えだ。それだけに、新しい補助犬が来るか不安もあった。

 協会によると、育成には1頭あたり500万円以上かかる。そのほとんどは、街頭募金や実演イベント、グッズ販売といったチャリティー活動で賄ってきた。だが、コロナ禍で昨年度からこれらの活動が全くできていない。今年度は11頭の貸与希望があるが、5頭しか育成できないという。

 CFの目標は1千万円で、現在6割を超えた。昨年度はCFによって4頭を育てることができた。詳細は協会のHP(https://www.hojyoken.or.jp/別ウインドウで開きます)で。(黒田陸離)