総裁選4候補、いずれもPB先送りの意向 ネット討論会で口揃え

自民党総裁選2021自民

伊沢友之
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 自民党総裁選に立候補した4氏は18日夜、動画配信のニコニコが主催したネット討論会で、政府が財政規律の一つとして掲げる基礎的財政収支プライマリーバランス=PB)の黒字化の目標について、いずれも先延ばしを容認する姿勢を示した。コロナ禍が長引いており、生活困窮者への支援や低迷する経済の下支えなどで財政出動が必要なことを理由に挙げた。

 立候補した4氏の中では、高市早苗総務相が、大胆な財政出動をするためとして、物価上昇率2%の目標が達成できるまでPBの黒字化目標を凍結することをいち早く明言してきた。

 これを受け、この日の討論会では、ほかの3氏(河野太郎行政改革相、岸田文雄政調会長野田聖子幹事長代行)にPBに対する考えを聞く質問が出た。

 野田氏はPBは「財政規律の原則だ」としつつも、「現在は有事。いまここでお金を使わないと、底抜けして次がない時代なので、やはりペンディング(保留)」と語った。河野氏も「コロナの影響が続く間は、PBは先送りせざるを得ない」と語り、金融緩和財政出動を組み合わせて、内閣府の直近の試算で約22兆円と試算されているGDPギャップを埋める考えを示した。岸田氏も「財政再建の旗は降ろしません」としつつも、数十兆円の経済対策が必要だとの認識を示し、PBについて「必要であれば先延ばしも考えなければいけない。目標ありきではなく、やるべきことの順番を間違えてはならない」と語った。

 PBの黒字化とは、社会保障などの政策経費を新たな借金に頼らずにまかなえている状態を指す。内閣府が7月に出した最新のPB試算では、黒字化の目標に掲げる25年度の収支は、高成長をした場合で2・9兆円の赤字。政府は歳出削減を進めれば、黒字化は「視野に入る」との立場をとっている。(伊沢友之)