「黒い雨」に700件以上相談 原告以外の「早急な救済」道筋見えず

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福冨旅史、比嘉展玖
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 広島への原爆投下後の「黒い雨」をめぐり、原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決を受けて、菅義偉首相が原告以外の救済も早急に検討するとの談話を出してからまもなく2カ月が経つ。被爆者団体や広島市などには被害を訴える人から700件以上の相談が寄せられている。しかし、被爆者健康手帳を交付する指針の見直しに向けた動きは見えてこない。

 19日、原告以外の人の被爆者健康手帳の申請を支援しようと、弁護団が広島市内で開いた相談会に約50人が参加した。相談員が黒い雨を浴びた状況を個別に聞き取り、申請書の書き方などを助言していた。

 「何に時間がかかっているのか分からない。早く被爆者と認めてほしいだけなのに」。参加した広島市安佐南区の吉田富子さん(78)は涙ながらに訴えた。2歳の時、旧安村(現・広島市安佐南区)の自宅近くで黒い雨を浴びたと母から聞いて育った。判決が「黒い雨が降った蓋然(がいぜん)性が高い」とした地域だ。

 10代の頃から甲状腺腫に悩まされた。これまで3度手帳を申請したが、すべて却下された。2カ月近く経っても進展がなく不安が募る中、最近、病院で乳がんと宣告された。「私には時間がない」「どう書けば早く申請が通るのか」と約1時間半にわたり相談していた。

 7月27日に閣議決定された…

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