フルマラソン、国内最年長で4時間切り 80歳の今も練習の毎日

太田原奈都乃
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 フルマラソンで4時間を切る「サブフォーランナー」が山口県下関市にいる。藤永礼三さん(80)。昨年12月の防府マラソンを3時間51分03秒で走り、この年の日本陸上連盟の記録で、国内最年長でサブフォーを達成した。

 午前4時。薄暗い中、練習が始まる。坂道を駆け上がり、10~15キロ走る。朝食をとり、近くの山を1時間ほど登る。

 それから腕立て伏せを150回。腹筋のため仰向けになると「寝落ち」する。「あれ今、何しよったか」。我に返り、腹筋140回、体幹トレーニングの「プランク」5分、縄跳び千回。トレーニングは昼まで。これを365日、繰り返す。

 20代で登山にのめり込んだ。出張先の関東で山々に登った。頂上から、さらに高い山が見える。「次はあれに登りたい」。61歳の時、日本海から太平洋まで7県をまたぐ日本アルプスの単独縦走に成功した。

 その後、登山をやめた仲間とともにマラソンを始めた。幼い頃に父親を亡くし、新聞配達をしていたおかげで足腰が強かった。63歳の初マラソンでは3時間25分38秒を記録した。67歳の時の3時間11分06秒が自己ベストだ。

 レースには全国から自分と年の変わらないランナーが集まる。「今日あいつ来ちょるぞ」とうわさを聞き、その姿をスタート地点で探す。「負けちゃれん」

 年を重ねる度に、タイムが落ちていく。ひざに力が入らず、練習を中断することも増えた。「4時間切り」にこだわらなければ、ゆっくり走れる。

 それでも目標は変わらない。「だめだと思ったらそこで終わり。だから年は考えないようにしよる」。11月7日、下関市で開かれる下関海響マラソンを3時間台で走り、80歳でまた、サブフォーランナーになりたい。「自分で目標を作らんとしゃーないじゃろ、なにごとも」(太田原奈都乃)