野田氏、議員定数削減めぐり「比例復活当選の廃止」を主張 総裁選
自民党総裁選に立候補した野田聖子幹事長代行は19日、報道各社のインタビューに応じた。衆院の議員定数削減について「抜本的な削減は検討されていない」との認識を示し、比例復活当選の廃止による削減を主張した。現行の小選挙区制度についても、「二大政党制」など導入当初の目的が達成できていないとして検証の必要性を訴えた。
議員定数削減をめぐり、2012年に野党・自民党の安倍晋三総裁と民主党の野田佳彦首相が定数削減と選挙制度の見直しに合意して、同年に衆院解散が行われた。野田氏はこの点について、「(自民党が)与党に戻るために約束したことを忘れているのか、忘れたふりをしている」と指摘。「そういう傲慢(ごうまん)さが(内閣)支持率の低下の一つになっている」と述べた。
そのうえで、小選挙区で落選しても復活当選する重複立候補の仕組みが複雑だとして、比例復活当選を廃止すれば議員定数を削減できると指摘した。17年衆院選での復活当選議員は176人で全体の4割弱にのぼるが、廃止するべきだと主張した。
小選挙区制度については、1996年の導入当初に期待された女性議員の増加や、二大政党制が実現できていないとして、「かつての中選挙区(制度)などを比べながら検証したい」とした。
安倍晋三前首相が昨年9月の退陣直前、「敵基地攻撃」との言葉は避けながらも、能力保有の必要性を説く談話を発表したことをめぐり、「(能力保有は)否定しない」との立場を表明。一方で、「あたかも日本が攻撃をするぞというサインになるような発言は厳に慎むべき」として、外交努力にもとづいた安全保障政策をとるべきだとした。
あらゆる核兵器の開発や実験、使用などを禁じる核兵器禁止条約の参加について、「日米同盟の下、アメリカの核の下で安全保障上のセーフティーネットができていることは否めない」とする一方、「一歩踏み込んで、国会の中で国民を交えて参加の議論をしたい」と語った。
森友学園をめぐる公文書改ざんをめぐり、野田氏は改めて、「自民党の仲間が疑われているならば党の中で検証しないと、うやむやのままではよくない」と再調査の必要性を語った。
「桜を見る会」の問題についても、「『今裁判中ですから』では世間は通らない」と述べ、4月の衆参3選挙での「全敗」は、自民党がこうした疑念に向き合わず国民が不信感を抱いている結果だと指摘した。(永田大、野平悠一)
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