第6回官僚任せと追従に終わった菅外交 退任直前までしたたかなアメリカ
編集委員・佐藤武嗣
菅義偉首相は9日、自民党総裁選不出馬表明後の会見で「避けては通れない課題に果敢に挑戦した」と語り、外交・安全保障で「日米同盟のさらなる強化」を自らの実績に挙げた。
なるほど、4月には外国の首脳として米国に一番乗りし、バイデン米大統領と会談。そして退陣直前の24日には、米が呼びかけた日米豪印戦略対話(QUAD)首脳会議に出席し、訪米を菅外交の花道にしたいとの思いもあるのだろう。
だが、「米大統領の菅さんへの親近感の表れ」(官邸関係者)との都合のよい解釈も、「卒業旅行」(自民党閣僚経験者)との揶揄(やゆ)も、どちらも当てはまらない。米国は外交を冷徹に計算しているに違いない。
歴代最長を記録した安倍政権と、その路線を継承した菅政権の計9年はどのようなものだったのか。自民党総裁選、衆議院選挙が迫る中で、記者たちが改めて考えます。
来月に予定する20カ国・地…
- 【視点】
日本がアメリカに追随しているという印象を与える最大の原因は、この記事にあるように日本の対中戦略がいまいち定まらないなかで、アメリカの対中戦略転換が明確だからでしょう(実際にはアメリカにもブレはあるのですが)。 もちろん、日本には隣国中国と