コロナ禍の小学生「学力差が拡大」 教員アンケート

新型コロナウイルス

米沢信義
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 コロナ禍が学校現場に及ぼした影響について、埼玉県内と東京都内の小学校教員を対象に、増田修治・白梅学園大学教授(臨床教育学)がアンケートし、結果をまとめた。昨年春の長期休校を経て「学力差が広がった」「精神的に不安定な子が増えた」とする回答が多く、こうした課題への対応や感染防止対策などに、教員が苦心している実態が浮かび上がった。

 調査は今年2月から3月にかけて、県内1市と都内多摩地区の3市の教育委員会の協力を得て、小学校教員にアンケートを配布し、319人から回答を得た。

 長期休校中に子どもたちに出したプリントなどの課題について、達成状況(複数回答可)を問うたところ、「自分の力でやりきっていた」と答えた割合は34・8%、「親の援助などを借りてやりきった」が67・1%だった一方、「全部はやりきれなかった」が20・1%、「ほとんどやりきれなかった」が4・7%と、課題をこなせない子どもが一定割合でいたことがわかった。

 やりきれなかった理由については、「子どもの意欲がなかった」(57・6%)、「親の協力が得にくかった」(54・5%)とする回答が多かった。特に低学年は1人で学習するのが難しく、家庭環境や親の協力が影響していた。

 学校再開後に学力差が広がったと思うか問うたところ、「とても思う」(17・2%)と「やや思う」(47・3%)をあわせると、6割以上の教員が学力差を感じており、精神的に不安定な子どもの増加についても、計64・6%が「とても思う」「やや思う」と答えた。

 こうした子どもたちの課題に向き合った教員の勤務がどう変化したかも質問した。「3密対策のために多忙になった」が57・4%、「給食の配膳、トイレ掃除などの仕事が増えた」が54・9%など、負担増を感じる教員が多かった。

 また、コロナ時代の教育に必要なことについては、「ICT(情報通信技術)環境の充実」(51・4%)など、オンライン授業の導入を訴える意見が多かった。仕事についての自由記述では「教師1人が担当する児童数を減らすことが必要」など、少人数クラスを求める声も目立った。

 増田教授は「プリントをこなす形が主体の長期休業では、家庭環境の違いが学力差に如実に表れてしまった」と分析する。実際に学校現場を今年度指導した経験から、「特に今の2年生は、ひらがなの読み書きの基礎が抜け落ち、学力が積み上がらないケースもある」と指摘する。

 学校では昨秋以降、児童へのタブレット配布が進み、緊急事態宣言が続く現在も、分散登校などで自宅で過ごす児童のための利用法を模索しているが、増田教授は「授業動画を流すだけではだめ。オンライン授業で教員・児童双方向でやりとりできるようにするなど、子どもの学びを止めない工夫が必要」と指摘する。(米沢信義)

コロナ下の学校、ここが大変(教員調査の自由記述から抜粋)

・学力差があり、できなかった子へのフォローが大変(東京・50代)

・給食は席を変えず黙って食べること。おかわりは教師が配ること(東京・30代)

・教室が密なのにコロナ対策を徹底するよう指示があり、どうすればいいかわからない(東京・40代)

・学び合いを軸に進めてきたが、コロナの影響で逆行していると感じる(埼玉・20代)

・行事や集団で集まることがなくなったので、全員で一つのことに向かって友達の良いところを認め合える場が減った(埼玉・30代)

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