岸田氏の地元広島、総裁選めぐり与野党舌戦 野党「埋没懸念」

自民党総裁選2021

東郷隆、大久保貴裕
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 衆院議員の任期満了まで21日で1カ月。広島県内の与野党が、自民党総裁選(29日投開票)を意識した舌戦を展開している。世間の注目が自民に集中していることに加え、広島から首相を目指す岸田文雄氏の勝敗が衆院選の県内情勢に影響する可能性もあるためだ。

 「緊急事態宣言下で政治空白をつくって、総裁選にかまけていいのか」。3連休中日の19日。立憲民主党福山哲郎幹事長は広島市安佐南区の街頭演説で語気を強めた。河井克行元法相夫妻の買収事件や、森友学園をめぐる公文書改ざんの調査に消極的な総裁候補ばかりと主張し、「自民党は変われない」と批判した。

 4月の参院再選挙に勝利した勢いを維持したい立憲だが、「メディアが総裁選にジャックされ、埋没している」(県連幹部)との危機感は強い。そのため、街頭での総裁選批判で存在感を示す戦略で、福山氏は広島3区に立候補するライアン真由美氏と街宣カーで市街地を回るなどした。

 県内選挙区への擁立を予定する共産党社民党も事情は同じだ。両党などの関係者は19日に広島市中区であった市民団体の街宣活動に出席。自民の岸田氏と同じ広島1区に立候補予定の共産・大西理氏は「今の自民党の面々のなかで顔をたらい回ししても1ミリも政治は動かない」と訴えた。

 一方、公明党は自民の盛り上がりを「追い風」につなげたい考えだ。党の最重点区・広島3区に初挑戦する斉藤鉄夫副代表は20日の街頭演説で繰り返し、自公連立の意義を強調した。3連休中に約20カ所で演説会を開催。その多くに自民から比例中国ブロックに立候補する予定の石橋林太郎前広島県議が同行。石橋氏は政治とカネ問題に触れながら、「新しい総理・総裁は自民党を中から変えてくれると信じている」と訴えた。

 斉藤氏は記者団に「総裁選での政策論争が与党に対する大きな期待になっていると感じる」と強調。総裁選の行方には言及する立場でないとした上で、「客観的事実として岸田さんが健闘されれば広島では大きな追い風になる」と語った。(東郷隆、大久保貴裕)