お産直後に遺体検視したことも 産科医と検案医、かけもちして18年

村山恵二
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 変死体の死因を特定する検案医を18年にわたって務めたとして、茨城県行方市の医師羽生一朗さん(58)に、関東管区警察局長から感謝状が贈られた。行方署の阿久津明典署長が8日、感謝状を代読し、手渡した。

 羽生さんは2003年に県警の指定検案医を委嘱され、今年8月23日までに795人の遺体を調べた。行方署の留置施設嘱託医でもある。

 同市(旧麻生町)の代々医師の家系に生まれた。実家が営む医院の副院長を経て、07年に産婦人科のつばさクリニックを開業。これまでに千数百人の新生児を取り上げたという。

 検案医になったのは「日ごろ安心して暮らせるのは警察のおかげ。市民として少しでも協力したい」と考えたからだ。毎日の診療が終わると、呼ばれればいつでも行けるようにしているという。

 午前4時、お産が終わってひと休みしていた時に署から検視を頼まれたこともある。「生まれてくる命も、亡くなった人の命も、どちらも大切な命。『役に立てている』という思いがやりがいになっている。分娩(ぶんべん)をやめる日が来ても、検案医は続けたい」

 同署によると、県内では84人が県警の指定検案医を委嘱されているという。(村山恵二)