低い山でも油断禁物! 登山中の事故増加、「命の綱」の届け出提出を

仙道洸
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 埼玉県内で登山中の事故が増えている。今年は8月末現在で昨年同時期より20件多い48件発生し、死者は倍の8人。計画が不十分だったり、装備品不足だったりする人が多く、県警が注意を呼びかけている。

 県警によると、山岳事故48件のうち、遭難者から登山届が提出されていたのは6件(約12・5%)にとどまる。地域総務課の井出瑞穂次席は「届け出は特に捜索の手がかりになる。場合によっては命の綱になる。きちんと届け出をしていただきたい」と話す。

 県警は登山届の提出をインターネット、登山口に設置した登山ポスト、登山する山を管轄する警察署、交番などで受け付けている。スマートフォンでQRコードを読み取って簡単に提出することもできる。届には、登山に参加するメンバーや緊急連絡先などの情報や行動計画、携帯品を記述する欄がある。同課はツイッターでも危険箇所や事故発生状況を発信して警戒を呼びかけている。

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 事故で特に多いのは滑落だ。県警によると今年は17件発生しており、全体の35%を占める。8月10日には小鹿野町の丸神の滝付近の登山道を歩いていた川越市の女性(64)が下山中に滑り落ち死亡した。女性は登山届を提出しておらず、半袖シャツに運動靴といった軽装だったという。

 日本山岳会埼玉支部長の大山光一さん(72)によると、埼玉県は低い山が多く手軽に登山ができるため、アクセスの良い都内からも多くの人が訪れる。大山さんは「油断と過信が禁物。余裕を持って、自分が思うよりレベルを下げて計画を」と注意を促す。「前日には十分な睡眠をとり、ヘルメットなど身を守る装備をして、登山届を提出して臨んで欲しい」(仙道洸)