ルワンダの子どもたちの「写ルンです」 作品をお金にして学校設立へ

堅島敢太郎
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 ルワンダのスラム街に住む子どもたちが、レンズ付きフィルム「写ルンです」で撮った写真を題材に、アーティストが独自の感性で仕上げたコラボ作品の展示会が香川県高松市内で開かれている。作品は全て購入でき、売り上げの半分を現地に設立予定の写真家育成学校の資金に充てるという。

 展示会「写(しゃ)ルン族 Exhibition Tour “共鳴”」は、コワーキングスペース「BRIC」(高松市常盤町)で開かれている。モノクロのポートレートに色鮮やかな羽を描いた作品など約30点が並ぶ。

 企画したのは、高松市出身の写真家香川智彦さん(38)が代表を務めるプロジェクト会社「Brave EGGs」(東京都練馬区)。「写ルン族」は、アフリカの子どもたちの自立支援プロジェクトだ。現地の子どもたちが思い思いの写真を撮った「写ルンです」を1個約千円で買い取った。100個の計2700枚の写真を、国内外で活躍するアーティストにコラボ作品の題材として提供した。展示会は新潟、神戸に続いて3カ所目で、来年2月には大阪でも開く予定という。

 香川さんは大学時代、父親から一眼レフを譲ってもらったことがきっかけで写真撮影を始めたが、2013年に難病の特発性血小板減少症を発症。風呂場では転倒を繰り返し、子どもを抱っこできなくなるほど痩せ細った。2年後には治療薬の影響で、大腿(だいたい)骨頭が壊死(えし)した。趣味のトライアスロンは諦め、カメラに本格的に取り組もうと写真家養成学校に通い始めた。

 17年から写真家として活動を始めると、病気の経験から「人の命の生々しさ」を撮りたいと感じ、カンボジアやルワンダなどの途上国で写真を撮影してきた。

 「写ルン族」の活動を思いついたのは1年前。知り合いの画家の活動に着想を得て、現地の子どもが自らの努力でお金を手に入れる仕組みにこだわった。「写ルンです」を買い取る約千円は、子ども1人の食費約2カ月分に当たるという。

 デジタルカメラでは転売される可能性があることから使った「写ルンです」だが、使い切りカメラならではの良さもあった。撮影者の指が写り込んでいたり、ピンぼけした歯ブラシが撮られていたり。デジカメならすぐに削除してしまうような写真がフィルムに残っていた。「技術としては下手かもしれないが、目を奪って離さない写真ばかり。写真家として嫉妬した」と香川さんは明かす。

 コラボ作品制作に参加したのはコシノヒロコさんなど9人のアーティスト。売り上げをもとにルワンダに設立する写真家育成学校は来年にも開校する予定で、香川さん自らオンラインで子どもたちに写真の基礎を教えるという。

 展示会は、26日までの午前11時~午後6時。入場無料。(堅島敢太郎)