BTSが国連総会で演説 「世の中は少しずつ前に進んでる」

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ニューヨーク=藤原学思
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 世界的に人気の韓国発7人組男性グループ「BTS(防弾少年団)」が20日午前(日本時間同日夜)、米ニューヨークの国連本部で、SDGs(持続可能な開発目標)の関連イベントに登壇した。リーダーのRM(本名=キム・ナムジュン)さんは「(新型コロナウイルスの影響で)世の中は止まったと思ったが、少しずつ前に進んでいる」と訴えた。

 BTSは文在寅(ムンジェイン)大統領から「未来世代と文化のための大統領特使」に任命されており、外交旅券でニューヨークを訪れた。国連を訪れるのは3年ぶり。国連本部で最も広い総会議場が会場となったが、新型コロナウイルス対策のため入場は厳しく規制され、グテーレス国連事務総長や文氏ら数十人だけが演説を見守った。

 演説は「未来」をテーマに進められた。黒のスーツ姿で登壇したメンバーは「私は昨日と同じなのに、一瞬にしてパラレルワールドに来たように世の中が変わってしまった」「長い間準備してきたコンサートツアーが中止になってしまって悔しい思いをした」などとコロナ禍によって失われたものを嘆いた。

 一方、「未来についてあまり暗く考えないで」「可能性と希望を信じれば、予想外の状況でも、道に迷うのではなく新しい道を発見するようになる」と前向きなメッセージも送り、若者世代について「ロストジェネレーションではなく、ウェルカムジェネレーションという方がふさわしい」と指摘。変化におびえるよりも、それを歓迎しながら前進する必要性を説いた。

 メンバーは7人全員が事前にワクチンを接種したという。「ワクチンの接種はファンに会うため、この場に来るためのチケットだったと思う」「新しい日常を続けるための努力が続いている」などと語り、演説後には、直前に国連本部で録画されたとみられる7月発表の新曲「Permission to Dance」が披露された。

 国連では21日から各国の首脳らによる一般討論演説が始まり、この時期は「ハイレベルウィーク」と呼ばれる。イベントは「SDGモーメント」と題され、新型コロナウイルスにいかに向き合い、SDGsの取り組みを加速させるか、各国の首脳や国連幹部らが議論する。

 BTSは2018年、ユニセフ国連児童基金)の会合に出席。RMさんが他人の視線ばかりを気にかけていた少年時代を振り返り、「私たちは自らを愛することを学んだ。みなさんも自分自身のことを話しましょう」と呼びかけ、反響を呼んだ。

 昨年は新型コロナの影響で来訪こそかなわなかったが、事前録画の映像が流された。RMさんは「夜に空を見上げても星が見えなかった」とツアーがキャンセルになった悔しさなどを語る一方、「最も暗い夜に、星は最も明るく輝く」と生き抜く大切さを訴えた。

 BTSは米国での人気も高く、昨年8月に「Dynamite」が韓国のアーティストとして初めて、米ビルボードのシングルチャートで1位を記録した。

 昨年11月に発売したアルバム「BE」もアルバムチャートで1位となり、今年のグラミー賞では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門」にもノミネートされた。国連のツイッターは通常、1投稿の「いいね」は数百件程度だが、BTS関連では数万件となる。(ニューヨーク=藤原学思

BTSメンバー、それぞれの発言の詳細

 世界中で新型コロナウイルスの感染が広がるなか、韓国の人気アイドルグループ「BTS」が20日午前(日本時間同日夜)、米ニューヨークの国連本部でSDGs(持続可能な開発目標)の関連イベントに出席した。不安を抱える世界の若者たちに希望のメッセージを伝え、ワクチン接種を呼びかけた。BTSのメンバーが語ったメッセージは以下のとおり。

      ◇

 RM「尊敬するアブドラ・シャーヒド第76回国連総会議長、アントニオ・グテーレス国連事務総長、文在寅(ムンジェイン)大統領、そして各国首脳の皆様、この場に立てて光栄です。韓国の大統領特使の防弾少年団(BTS)です。私たちは今日、未来世代の話を伝えようと来ました。この場に来る前に全世界の10代、20代に、この2年はどうだったか、今はどんな生活を続けているか、聞いてみたいのですが。どんな答えがあったのか、JINさんが紹介してください」

 JIN「はい、一緒に見まし…

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