一宮空襲もっと知って 市民が体験談の動画制作 ネットで公開中

荻野好弘
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 終戦直前の1945年7月、愛知県一宮市に大きな被害が出た空襲について、体験者が資料写真とともに語る動画を市民らが制作した。投稿サイトのユーチューブで公開している。

 「写真でたどる一宮大空襲」(15分)。市中心部に住んでいた日本福祉大学元教授の森靖雄さん(86)が戦災の様子を振り返る。「大空襲」は45年7月12日と28日夜、米軍B29爆撃機の編隊が飛来し、当時の市面積の8割が焼け、727人が死亡、4万1027人が罹災(りさい)したとされる。

 森さんは当時10歳。規模がより大きかった2度目の空襲では、家族とともに火の手が上がった方面とは逆の方向に逃げて助かった。動画では米軍が上空からまいた爆撃予告のちらしや、火消しのバケツリレー訓練などの写真を紹介。市中央図書館などの協力を得て、所蔵する資料を利用したという。「戦争は住民も巻き込まれることを知ってほしい」と森さんは話す。

 企画したのは、一宮市の大志連区地域づくり協議会の木村富雄会長(73)たち。この数年、戦災の語り部を地元で探したが、見つからなかった。今年4月、いまは知多市に住む森さんが「戦時下の一宮 くらしと空襲」という本を著したとの朝日新聞の記事を、木村さんが読んで協力を依頼した。

 当初は子どもを対象とした講演を依頼したが、「コロナ禍でも多くの人に空襲のことが伝われば」とビデオ撮影をして、編集した動画をインターネットで公開した。12月には、地元の小学校に森さんを招いて講話をしてもらう計画だという。(荻野好弘)