M-1決勝に勝ち進んだ唯一のアマチュア 「変ホ長調」の闘い方

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聞き手・後藤隆之、仲程雄平
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 お笑い賞レースの頂点ともいえる大会で、アマチュアはいかにして戦うべきなのか――。

 8月から予選が始まった「M―1グランプリ2021」。結成15年以内のコンビが参加できる大会に、ここ数年は5千組以上がエントリーする。毎年多くのアマの姿もあるが、決勝に進んだのは16回を数える大会でたった1組しかいない。その唯一「最強」のアマ「変ホ長調」に、笑いを追究する醍醐(だいご)味を聞いた。

 ――昨年のラストイヤーまで、M―1に計12回参加しました。

 小田ひとみ(ツッコミ担当) 最初の参加は、ストレス解消だったんですよ。出てみると、楽しかった。これが、ずっと続けばいいなーって感じ。

 (2006年に)決勝まで進み、やっぱり1個でも上に行けたらうれしい。笑ってくれはったら、うれしい。

 ――漫才が好きなんですね。

 小田 私ら関西の出身ですけど、関西の人は基本、お笑い好きじゃないですか。

 彼方(かなた)さとみ(ボケ担当) 子どもの頃、学校の休み時間に漫才とかしません? 私たちも普段の会話がツッコミになっている。そういう環境で育っているので、好きというか、染みついているというか。

 ――M―1決勝で披露したネタは、女性2人が立ち話をしながら、芸能界などに切り込むスタイルでした。今は、どうですか。

 小田 ほぼ変わらず。今、ここでお話ししているような感じです。

 彼方 「ちょっと、あれ、やってみる?」とコント風にやってみたいけど、おもしろくできない。プロと技量が全然違う。

 小田 そう、そう。

 彼方 アマチュアである私たちができることって、素を出すことだけなんですよ。ここで、おもしろいこと言ったろ、と考えると、プロに負けるので。

 ――アマが勝ち進むには、具体的にはどうすれば良いですか。

 小田 スポーツクラブに行ってはったら、そこの話。ものすごくお見合いされていたら、お見合いの話。創作よりも、原体験を入れたほうがおもしろい。

 彼方 自分のことは、なんぼか伝わるんですよね。私たちはもともと、「これがむかつく」「これを伝えたい」を笑いに変えているので。

 ――なるほど。

 彼方 ネタで笑ってもらえるって、すごくうれしいんですよ。私たちが考えたおもしろいことをわかってもらえる。私たちの怒りや思いを漫才にのせて伝えていきたいんです。

 小田 それをたまたまやってたら、すごく私たちにあってたんだと思います。

 ――今年でコンビ結成16年。M―1への出場資格が失われました。

 小田 昨年の大会が終わったときは、ものすごく寂しくて。

 ただ正直、今年はほっとしている、というのもあります。終わるまでスケジュールを入れられへん。どこまで勝ち抜くかわからないから、他の予定も入れられないじゃないですか。

 ――現在、小田さんは関西、彼方さんは関東に住んでいます。スケジュールを調整するのも難しいのでは。

 小田 そう、そう。天の力じゃないけど、大阪と東京でそれぞれ働いているのに、スケジュールが合わず出られなくなることはなかった。

 彼方 奇跡的に合うんですよ。

 15年間、ずっと離れてやってこられた。それは、ありがたいなーって思います。

 小田 ずっと、一緒におったら仲が悪くなってたかもしれんからな。

 彼方 そうやね。

「M-1に出られなくなっても、お笑いをやめる気はなかった」

 ――会社員を続ける良さは。

 彼方 普段の生活の中におも…

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