入管死亡のスリランカ人ウィシュマさん遺族、妹の1人が帰国へ

編集委員・北野隆一
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 スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が名古屋出入国在留管理局の施設で死亡した問題で、来日中の遺族のうち、妹ワヨミさん(28)が23日に帰国することになった。監視カメラで撮影されたウィシュマさんの生前のビデオ映像を見て以来、体調を崩しており、日本滞在を続けることが困難になったという。

 21日に国会内で記者会見したワヨミさんは「姉が冷たい床に放置された場面などの映像を毎日思い出して眠れない」と語り、「入管が外国人にどんなひどいことをしているかは、ビデオを見ればわかる。姉のようなことが二度と起きないようにしてほしい」と訴えた。スリランカの母スリヤラタさん(53)は電話するたびに泣くため、ウィシュマさんのことも詳しくは伝えていないといい、「母の体調もよくない。いったん帰国し、母のそばで説明してあげたい」とも話した。

 ワヨミさんは、もう一人の妹ポールニマさん(27)とともに5月1日に来日。2人の姉のウィシュマさんが亡くなる3月6日までの13日間の映像のうち、2時間に編集されたものを8月12日に法務省庁舎内で見た。ウィシュマさんが衰弱する中、職員が笑いながら介助する場面などに衝撃を受け、体調を崩し1時間10分ほどで視聴を中断。9月10日に続きを見る予定だったが、遺族側が求めた代理人弁護士の立ち会いを出入国在留管理庁が拒んだため、視聴しなかった。

 ワヨミさんの帰国後もポールニマさんは日本に残り、入管庁に対して姉の死の真相解明と、記録が残る映像データの全面開示を求める働きかけを続けるという。(編集委員・北野隆一