タリバン、追加発表でも女性閣僚ゼロ 少数派選出は「演出」との見方

アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンで権力を掌握したイスラム主義勢力タリバンのムジャヒド報道担当幹部は21日、暫定政権の閣僚ら17人の人事を追加発表した。すでに主要閣僚はタリバンの男性メンバーで占められており、今回も女性は入らなかった。暫定政権の承認をめぐり、国際社会の目はさらに厳しくなりそうだ。

 タリバンはガニ政権崩壊後の今月7日、暫定政権の発足と主要閣僚を発表。大臣や副大臣ら33のポストを人口最大の民族パシュトゥンのタリバン幹部がほぼ独占して国際社会の批判を浴びたことから、残りの閣僚らの人事でタリバンがどこまで譲歩するか注目されていた。

 この日追加発表されたのは、大臣2人や副大臣12人ら。地元メディアによると、商務相には人口第2の民族タジクで反タリバン勢力が拠点とする北東部パンジシール出身者が、保健副大臣にはタリバン旧政権時代に迫害を受けた少数派ハザラの出身者が選ばれた。ムジャヒド幹部は「少数派を加えた」と強調したが、いずれもタリバンに近い人物の可能性が高い。権力を分け合うそぶりをみせる「演出」との見方が強い。

 一方、女性は起用されなかった。女性の人権保護にあたってきた女性課題省のポストは発表されず、省が廃止される可能性がある。議会や選挙の制度が保たれる見込みも薄く、女性の声を国造りに生かす道は狭まっている。ムジャヒド幹部は会見で「女性の就学や就労の問題に取り組むには時間がかかる」と語った。自宅待機を命じている女性公務員の復職のめどなどは明らかにしなかった。

 タリバンは人事や政策を小出しにして国際社会の反応を見つつ、支配を強める狙いがあるとみられる。(バンコク=乗京真知