鈴木保奈美がパリ・コレの…「ファッションを大人のもとに戻したい」

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聞き手=編集委員・後藤洋平
インタビューに答える鈴木保奈美さん=関田航撮影
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 2022年春夏のパリ・ファッションウィークPFW=パリ・コレクション)が、27日に開幕し、多数のブランドがショーや映像で新作を披露する。朝日新聞はPFW公認の特設サイトで動画などを同時配信する。日本におけるPFWの公式アンバサダーには、俳優の鈴木保奈美さんを新たに迎えた。

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ディオールの衣装をまとった鈴木保奈美さん=2021年9月17日、東京都渋谷区、西畑志朗撮影、スタイリング・犬走比佐乃さん、ヘアメイク・福沢京子さん

 鈴木さんはトレンディードラマに主演して話題を集めた1990年代、プライベートでパリ・コレを鑑賞していた。「服装で、どんな人か想像できる」といい、演じる人物が着る服を想像して役作りをしているという。ファッション業界への思うところを尋ねると、率直な言葉が返ってきた。

――鈴木さんはファッションに造詣(ぞうけい)が深い印象があります。今回のパリ・コレクションで、気になるブランドはありますか?

 造詣というほどでは……。今回のコレクションに参加するブランドリストを見て、そのなかではラフ・シモンズに興味があります。実際に着たことはないのですが、もともと20代の頃からジル・サンダーが好きで、自分では手が出ないので「映画の衣装の時に使わせて下さい」とお願いして着せてもらったことがあって。

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ラフ・シモンズの21年秋冬コレクション=ブランド提供

 それからずっとジル・サンダーが好き。ジル・サンダー本人が手がけた時代も本当に素敵だったんですけど、ラフ・シモンズにデザイナーが変わった時(05年~12年)も好きで。シモンズがクリスチャン・ディオールにいる時(12年~15年)の映画「ディオールと私」も見ました。とても興味と関心があります。

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ジル・サンダーの21年秋冬コレクション=ブランド提供

――他に気になるところはありますか?

 あとはやっぱりロエベかな。ロエベが今年3月、朝日新聞の折り込みで新作を発表したのは大好きな試みでしたし、ブランドとして、そういう考えを持った人たちが作ってるんだということが伝わってきました。ただ商品を売るだけじゃないという心意気みたいなものを感じます。朝、新聞を広げたら、「うわぁ、なんてかっこいいんだろう」って、本当に感激しました。

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3月5日付の朝日新聞に折り込まれたロエベの新作発表広告

コロナ禍の自宅「Tシャツでいい」は、つまらない

――ロエベもコロナ禍で発表の形式を色々と変えてきて、その一環として朝日新聞のほか仏フィガロ、ルモンド、米ニューヨーク・タイムズなど新聞の折り込みで新作発表をしました。ファッションは時に不要不急と言われますが、鈴木さんの装いはコロナ禍前と変わりましたか?

 外出してプライベートでドレスアップする機会はとても減ってしまいました。ですけど、じゃあ家にいるときは何でもいいかというとそうでもなくて、「今日は誰にも会わないからTシャツでいいや」となると、自分がつまらないし、情けなくなってきて。

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鈴木保奈美さん=2021年9月17日、東京都渋谷区、西畑志朗撮影

 だから最近は仕事が休みで、家にいる日でも、あえてアイロンをかけたシャツを着たり、一日を過ごすモチベーションになるものを着たりする。華やかなものを身につける機会は減りましたけど、逆にそういう意味ではなんでもいいや、とは思わなくなってきました。

衣装は役づくりで「大きなポイント」

――仕事でもプライベートでも、服から力を得ることはありますか?

 それはもちろん。特に仕事の時は、衣装にはとても大きな力があります。例えば(シャネルやエトロなどの服、ブルガリやティファニーのジュエリーなどが話題になった)ドラマ「SUITS/スーツ」(フジテレビ)の時には、本当に衣装の力に助けられました。

 あと、演じる仕事は、撮影前に役について、どういうキャラクターなんだろう?って考えるところから始まるんですけれど、その時に「こういう服を着ている人だ」と衣装がひらめくと、そのキャラクターをつかみやすくなるんですね。

 例えば台本を頂いてから、役柄のバックグラウンドや、今どういう風に暮らしていて、どういう人生を過ごしてきたんだろうって、いろいろ想像して肉付けしていくわけです。そのときに「何を着ているのか」は、とても大きなポイントです。

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鈴木保奈美さん=2021年9月17日、東京都渋谷区、西畑志朗撮影

 ですから、「この人は、こう…

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