基準地価29年連続で↓ コロナ禍も下落幅は縮小 岐阜

高木文子
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 21日に公表された基準地価で、岐阜県内は住宅地、商業地、工業地のいずれの用途も29年連続で下落した。新型コロナウイルスの影響で昨年から価格が下がる傾向だが、今年はいずれも下落幅が縮小。住環境や利便性のよい住宅地では価格が上昇した。

 県が7月1日時点で、県内360地点を調べた。継続調査した348地点(林地を除く)のうち、前年から価格が上昇したのは13地点で、昨年より8地点多い。横ばいは50地点、下落は285地点だった。

 1平方メートルあたりの平均価格は、住宅地3万2200円(前年からの平均変動率1・6%減)▽商業地8万6500円(同1・9%減)▽工業地2万100円(同0・5%減)。住宅地、商業地、工業地を平均した「全用途」は4万4400円(同1・6%減)。平均変動率の下落幅は、住宅地、商業地、全用途が都道府県別で最大だった。

 住宅地で価格が上昇したのは11地点で、このうち4地点が岐阜市にある。岐阜駅から徒歩圏の岐阜市加納本町3丁目では、県内で最も上昇率が高く、1平方メートルあたりの価格も14年連続で県内最高だった。

 多治見駅周辺の住宅地も2地点で上昇。中津川市でも2地点で価格が上がり、リニア中央新幹線に関わる道路整備の代替地需要などが背景にあるという。瑞穂、羽島、岐南の各市町も1地点で上昇した。

 不動産鑑定士で、県地価調査幹事会の小池育生・代表幹事は「コロナ禍で在宅時間が増え、広い戸建てを求める動きが出てきた」と指摘する。新型コロナの影響でマイカー通勤が見直され、愛知県へアクセスが良い岐南町などで需要が高まったという。

 商業地で上昇したのは、多治見市の2地点のみ。いずれも多治見駅に近い道路沿いで集客性が高く、供給件数が少ないことから、昨年に続いて上昇した。

 一方で、コロナ禍で観光業が打撃を受けた高山市では、商業地の落ち込みが目立つ。「古い町並」にある高山市上三之町は前年比10・9%減で、下落率は全国4番目。昨年は全国最大の下落率だった高山市奥飛驒温泉郷平湯も、今年は全国6番目となる10・2%減だった。岐阜駅近くの繁華街も飲食店の撤退がみられ、岐阜市玉宮町2丁目で7・3%減となった。(高木文子)