「タリバンとの和平、大統領出国で台無しに」 崩壊政権の高官が語る

有料会員記事アフガニスタン情勢

イスタンブール=高野裕介
[PR]

 イスラム主義勢力タリバンの攻勢で崩壊したアフガニスタンのガニ政権で、情報・文化省のトップだったムハンマド・カシム・ウファエザダ氏(41)が17日、退避先のトルコ・イスタンブールで朝日新聞の取材に応じた。同氏は「タリバンとの移行政権の樹立交渉は可能だった」と説明。ガニ大統領の秘密裏の国外脱出が、首都カブールの電撃的な陥落を引き起こしたとの見方を示した。

ムハンマド・カシム・ウファエザダ 1980年生まれ。偶像崇拝を禁じるイスラム主義勢力タリバンが大仏を爆破したアフガニスタンの中部バーミヤン州出身。2007年から金沢大に6年留学した知日派。アフガニスタンに帰国後、ジャーナリストなどを経て民間航空局の副長官に。その後、同長官を務め、今夏に情報・文化相に就任したという。

 タリバンがカブールを制圧したのは8月15日。タリバンは対立する政治家や軍兵士ら全ての人に「恩赦」を与えるとしたが、ウファエザダ氏は友人に出国を促され、約1週間後の23日に空路でトルコに脱出した。同氏によると、閣僚の半数ほどがトルコや欧州に退避。国内に残る人も、身を隠したり、居場所を転々としたりしているという。自身は7月に同省の大臣代行に就任し、その後に大臣に。政権崩壊にいたる過程を閣僚が実名で語るのは異例だ。

 ガニ氏は8月15日にタリバンが首都を包囲すると国外に逃げた。ウファエザダ氏に知らされたのは出国の10分ほど後。その日の午後、「大統領が出国した。我々も大統領府を離れる」と関係者から連絡があったという。「まったく予想しなかったことだった」と振り返り、「大統領の出国がタリバンとの和平交渉を台無しにした」と批判した。

 ウファエザダ氏は、「タリバンが本当の意味での和平を望んでいたとは思わないが、彼らは国際的な承認、(統治の)正統性を気にかけていた。軍事力で制圧すればそれが得られず、(移行政権に向けての)交渉をしたかった」と述べた。一方、ガニ氏が出国の際に多額の現金を持ち出したとの報道については、「証拠を持ち合わせていないので、否定も肯定もできない」と話した。

 ウファエザダ氏は政権崩壊の…

この記事は有料会員記事です。残り1686文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら