県内の基準地価、29年連続下落。中部横断道で明るい兆しも

三ツ木勝巳
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 山梨県は21日、土地取引の目安となる県内の基準地価を発表した。全用途の平均変動率は前年より1・2%下がり、29年連続で下落。前年に比べて、下落幅は0・3ポイント縮小したものの、8月の中部横断自動車道の山梨―静岡間全線開通の影響などで明るい兆しも見られるという。

 昨年より2地点少ない全27市町村の266地点を7月1日時点で調査した。不動産鑑定士17人の評価結果を地価調査委員会で審議して価格を判定した。

 住宅地189地点の平均は1平方メートル2万3700円でマイナス1・3%。昨年に比べ下落幅が0・3ポイント縮小した。上昇は富士河口湖町鳴沢村山中湖村、忍野村の富士北麓(ほくろく)の4地点と昭和町の計5地点で昨年より2地点増加した。

 横ばいは30地点。甲府市や、その近辺の中央市南アルプス市甲斐市、昭和町のほか、富士北麓エリアや北杜市などだった。

 下落幅縮小について、不動産鑑定士の鶴田郁哉さんは「長く地価下落が続き、全体的に価格が落ち着いている。また、富士北麓や北杜市に2拠点居住を目的とした別荘地需要があり、大規模商業施設のある昭和町などでも上昇地点が見られた」と解説した。

 商業地45地点の平均は4万4600円でマイナス1・2%。下落は38地点だった。下落幅が最大だったのは、ホテルや旅館が立ち並び、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた笛吹市石和町川中島の地点でマイナス3・4%。昨年のマイナス3・3%を上回った。

 上昇地点はなく、横ばいが2地点増加して7地点になった。増えた2地点について鶴田さんは「富士河口湖町の地点がコロナ後を見込んだ需要、南アルプス市の地点は中部横断道の増穂インターチェンジから甲府市に向かう県道に位置しており、開通がプラスに働いた」と説明した。

 商業地最高価格は、甲府市丸の内2丁目の平和通り沿いにある地点の17万3千円。ただ、ここも前年比マイナス1・7%だった。2位の甲府市中央1丁目も8万9500円でマイナス0・9%、3位の上野原市仲新町の地点も7万1700円でマイナス0・4%だった。

 工業地14地点の平均は1万4100円。昨年の0・1%下落から横ばいになった。唯一、富士吉田市の地点が昨年に続き上昇。4月の御殿場バイパス西区間・須走道路の開通で利便性が増した。その他、横ばいが11地点、下落は2地点。

 県の担当者は中部横断道の山梨―静岡全線開通について「工業地に関しては、開通を見込んで物流の拠点を確保するという動きもあった」という。用地が不足してプラスへ転換はできなかったが、「全線開通自体は県にとってプラス要因。今後の動向が楽しみです」。(三ツ木勝巳)