阪神・木浪聖也の「恩返し」 矢野監督が代打を送らなかった理由

KANSAI

内田快
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 (21日、プロ野球 阪神タイガース3―2中日ドラゴンズ)

 人工知能が采配をふるうなら、この日の結末はなかっただろう。

 同点の九回1死三塁。阪神・木浪聖也が打席に。対するは中日の守護神R・マルティネスだ。「次打者席から速い直球を意識して待っていた」。2球目の直球を左翼手の頭上へはじきかえす。三塁走者は俊足の島田海吏。決勝の犠飛になった。

 木浪は打率が2割に満たない。この日もいい当たりがあったとはいえ、ここまで3打数無安打。阪神は負ければ首位陥落の可能性があった。引き分けでも、2位ヤクルトが勝てば勝率2厘差まで肉薄される。だが、右の原口文仁も左の糸井嘉男も控えていたが、代打は送られなかった。

 矢野燿大(あきひろ)監督は「もちろん代打も頭によぎった」という。ただ、「あいつも(遊撃の)レギュラーを中野拓夢に奪われている。でも、キャンプからやれることをしっかりやってきているということも、どっかしら頭の片隅にあるんでね」とも打ち明けた。

 木浪は7番二塁手として、8月28日以来の先発に名を連ねた。2点リードの六回には、1死一、二塁で平凡なゴロを捕球後、一塁に送球した。二塁封殺も十分間に合うタイミングだった。2死二、三塁となり、結果的に、京田陽太の同点2点中前安打を招いた。

 「しょうもないミスをしてしまった。本当に打席に送ってくれたことに感謝ですし、結果を残したことで恩返しできたのかな」と木浪。打線は中日を下回る6安打の低調さ。うち4本は近本、中野によるもので、4~6番の助っ人は無安打だった。首位の座が危うい状況は変わらないが、「我慢の中で拾えたのは大きい」。指揮官はそううなずいて球場を後にした。

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