文大統領、国連演説で朝鮮戦争の終戦宣言を提案 対話の再開求める

ソウル=神谷毅
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 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は21日、米ニューヨークで開かれている国連総会で一般討論演説を行った。朝鮮半島情勢をめぐり、南北と米国の3カ国、または中国を含む4カ国が集まって休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言をするよう提案した。

 文氏の任期は来年5月までのため、今回が最後の国連での演説となる。国連で終戦宣言を提案するのは2018年、20年に続いて3度目だ。文氏は「朝鮮戦争の当事者が集まって宣言を実現すれば、非核化の不可逆的な進展とともに完全な平和が始まると信じる」と訴えた。

 文氏は南北と米朝の迅速な対話の再開も求めた。そのうえで「国際社会が韓国とともに北朝鮮に絶え間ない協力の手を差し伸べることを期待する」と語った。北朝鮮に対しては新型コロナウイルス対策などを例に挙げ、国際社会の一員として「南北が力を合わせることを願う」と呼びかけた。北朝鮮は今月15日に国連安保理決議違反となる弾道ミサイルを発射したが、文氏は言及しなかった。

 北朝鮮ミサイル発射を繰り返し、核関連施設の再稼働の兆候もあるなか、非核化をめぐる米朝協議は停滞している。終戦宣言の実現は難しい状況でも、文氏が国連で取り上げた背景には、国際社会に訴えることで、韓国の次期政権でも融和政策を継続させたい思惑があるようだ。(ソウル=神谷毅)