自宅からカフェで接客、可能にしたロボット 障害とビジネス、企業は

V500

木村裕明
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 世界500社のネットワーク組織「The Valuable 500(V500)」は、障害の有無にかかわらず誰もが個性や能力を発揮できる社会をめざし、雇用や製品サービスにおいてビジネスを変えていくことを目的にしている。参加企業が進める先進的な取り組みを紹介する。

二つのロボット 組み合わせて接客

 川田テクノロジーズは、障害や難病などで外出が難しい人が、遠隔操作でカフェの接客をしたりコーヒーをいれたりできるプロジェクト「テレバリスタ」に取り組んでいる。グループ会社が開発した産業用ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」と、外出困難者の社会参加を支えるオリィ研究所のロボット「OriHime(オリヒメ)」を組み合わせている。

 オリィ研究所は2018年から、コミュニケーションが得意な「OriHime」を外出困難者が遠隔操作して、カフェ店員として接客する実験をしてきた。ただ、コーヒーをいれる作業まではできなかった。

 一方、「NEXTAGE」は工場のラインなどで部品を組み立てるロボットで、細かい作業が得意。パイロットと呼ばれる外出困難者が両方を遠隔操作すれば、コーヒーをいれることもできるようになった。

勤務は週20時間まででOK ソフトバンク

 ソフトバンクは、精神障害や発達障害などで長時間働くのが難しい人に、週20時間未満でも働ける機会を提供する「ショートタイムワーク制度」を16年から導入している。

 コミュニケーションや適応能力に課題を抱える精神障害者は、疲れやすかったり、集中力が長く続かなかったりする人も多い。ソフトバンクは就労が難しい障害者の社会参加を促そうと、勤務が週20時間未満のアルバイトとして採用。これまでに、統合失調症などの障害がある20~50代の47人を雇い入れた。週1回、4時間だけ働く人もいる。

 採用の可否を判断するのは、営業や技術、人事・総務などの受け入れ部署。ショートタイムワークの人に任せる業務を決めた社員が自ら、採用した人と同じ職場で働くのが特徴だ。

手動運転から楽に切り替え マツダSUV

 マツダは、足が不自由な人でも運転できる手動運転モードと、足を使う運転モードを、起動時の簡単な操作で切り替えられる世界初の機能を備えたSUV(スポーツ用多目的車)を開発。今秋、発売する予定だ。

 マツダのSUV「MX―30」(電気自動車タイプ)は、車のスタートスイッチを押す際に手動レバーを押せば手動運転モードに、ブレーキペダルを踏めば足を使う運転モードになる。足が不自由な人と健常者が、1台の車を一緒に使ったり、運転を交代しながらドライブを楽しんだりしやすくする。

 また従来の手動運転は、レバーでアクセルもブレーキも操作するため、走行中は基本的に両手を使う必要があった。MX―30はハンドル内側のリングでアクセル操作をするため、サンバイザーの操作などで一時的に片手を離しやすくなる。(木村裕明)