家飲みビール、次々投入のアサヒ 背景にコロナと「ドライ」の強さ

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山下裕志
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 もはや定番となった「コロナで家飲み」。そんなニーズを目がけてアサヒビールが今年投入した「生ジョッキ缶」などの2商品は、どちらも供給が追いつかずに販売を一時見合わせるほど人気を集めた。背景にある、「スーパードライ」という業界屈指の看板ビールを抱えるアサヒならではの事情とは――。

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「ベニースーパー佐野店」の酒売り場。家飲みの広がりで売り上げ好調という=2021年9月19日、東京都足立区

 「買っておいて良かった」

 「読みが甘かったのか」

 今月14日、アサヒビールが缶では28年ぶりに復活発売した「アサヒ生ビール」。看板商品「スーパードライ」に続く第2の柱に育てようと、人気俳優の新垣結衣さんをCMに起用するなどPRにも力を入れた。注文殺到で供給が追いつかなくなり、わずか3日後に販売停止が発表されると、そんな書き込みがネット上で相次いだ。これまでの受注分は出荷されるが、在庫がなくなれば店頭からいったん姿を消す。

 「うちも注文を出そうと思っていたが、一歩遅れた」。東京都足立区の「ベニースーパー佐野店」の担当者は苦笑いする。店の酒販売はこの夏、コロナ下で家飲みが広がった昨年を、さらに上回った。新商品人気の背景を「消費者は今年、家飲みに『変化』を求めているのでは。ビール会社も力が入っている」とみる。

 ビール業界にとって、緊急事態宣言などで飲食店が酒を出せなくなったのは大きな痛手だった。なかでも深刻だったのが、ドライの強さの裏返しで、業界でも「業務用(飲食店向け)の比率が高い」(幹部)というアサヒだ。8月のドライの飲食店向け販売量は今年、コロナ前の2019年同月より8割以上も減った。

 「店」が厳しければと、力を入れるのが「家」向けだ。特に、お店での楽しみ方を自宅で疑似体験できるような、新しい缶ビールやサービスの投入が相次ぐ。

スーパードライ販売量、実はピークは…

 4月に発売したドライの「生…

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