在校生「学校改革は望まない」 市教委の計画に異論噴出、重ねる対話

堀越理菜
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 熊本市教育委員会は、市立必由館高について、主体的に行動できる人材育成などを目指して抜本的な学校改革を計画している。これに対して在校生らからは異論が噴出。市教委は、21日に意見交換会を開くなど、改革に向けては対話を重ねたいとしている。

 市教委は2月に改革素案を公表。世界的な視野と課題解決能力を持ったリーダー育成のため、①学びの促進のために付属中学を設けて中高一貫化②きめ細かな教育のために定員を減らす③現在の普通科をグローバル探究科(仮称)と芸術探究科(同)に――との計画を示した。

 素案公表後、在校生らから計画の延期や再検討を求める声が上がった。生徒は、普通科の存続などを求める要望書をまとめた。さらに改革の必要性についてアンケートを実施、大半の生徒が現状維持を求めた。

 市教委は、こうした動きを受けて、6月に予定していた計画策定を延期。改革の方向性を生徒らと共有するため、21日にオンラインの意見交換会を開いた。

 遠藤洋路教育長らとの対話には生徒9人のほか職員や卒業生も参加。学校側からは「普通科でも服飾など専門のコースで学べ、様々な進路選択に対応できるのが必由館の魅力」「探究型の学習は普通科のままでもできる」などの意見が出た。学校側は今後、新たな案を提出する予定。

 意見交換会の後、前生徒会長の竹山祥平さん(3年)は「生徒が声を上げたときに聞いてもらえたことがすごく貴重で、話し合いの機会が設けられて本当に感謝している」と語り、現生徒会長の益田日茉梨さん(2年)は「改革は望まないということが一番の意見。より深い話し合いができるように活動を続けていきたい」と話した。

 市教委は今後、今回の意見や学校側が提出予定の対案を元に検討を進める方針。学校改革推進課の松永直樹課長は、生徒から意見が出たことについて「改革で目指す自ら考え行動するといった理念を体現した動き」として教育の側面からも尊重する姿勢を示し「一緒に新しい学校を作っていきたい」と話している。

 市教委は、千原台高と総合ビジネス専門学校についても学校改革を進め、改革後の具体的な取り組みについて意見交換を行っている。千原台高では、情報やビジネス、スポーツのスペシャリスト育成を目指し、登校が困難な生徒らの学習機会を保障するための通信制の設置も検討。総合ビジネス専門学校では、起業家育成を目指す。(堀越理菜)