LGBT対応の制服を導入 長崎・諫早農高が発表会

森川愛彦
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 長崎県諫早市の県立諫早農業高校で22日、来年度の新入生から導入する新たな制服の発表会があった。性同一性障害などLGBT(性的少数者)に対応し、女子生徒でもスラックスを、男子生徒でもスカートを、自由に選択できるようにしたのが特徴だ。

 同校によると、新しい制服は、冬用がブレザーと、スラックスまたはスカートのセット。夏用はボタンダウンシャツまたはポロシャツと、スラックスまたはスカートのセット。ブレザー、スラックス、スカートの色はチャコールグレーで統一している。

 いずれもデザイン上の性差を極力排除し、肩幅や骨盤の広さに応じて男性的体形か、女性的体形かを選んで購入できる。このため、体は男性だが心は女性だったり、体は女性だが心は男性だったりという性同一性障害などLGBTに対応できる。また、屋外実習が多いことも考慮し、撥水(はっすい)性やストレッチ機能も備えた素材にした。

 同校の現在の制服は、男子が紺の詰め襟とスラックスで、女子が紺のブレザーとスカート。男子は36年ぶり、女子は66年ぶりの変更になる。

 今回、ジェンダーレスの制服導入を決めたのは「生徒一人一人の個性を尊重する」という考えからだという。発表会でモデルを務めた田中萌さん(2年)は「楽しく学校生活を送りたいので、自分が好きな格好を選べる制服はいいと思います」と評価していた。

 同様の制服は、長崎市の長崎明誠高校でも来年度から導入される。県教育委員会によると、2020年度末時点で、全日制の県立高校55校のうち約20校が、LGBTに限らず、希望する女子生徒に制服でスラックス着用を認めている。ただ、男子生徒のスカート着用も認めるなど、本格的にLGBTに対応した制服を導入している高校の数は不明だという。

 担当者は「今後LGBT対応の制服の導入が増えるかどうかは何とも言えない」と話す。ただ、「性的少数者を含めて生徒の人権に配慮する高校は増えている」という。文部科学省が学校に性同一性障害の生徒への支援を呼びかけていることもあり、諫早農と同様の取り組みが今後、県内でも進む可能性がある。(森川愛彦)