「事件性の判断困難だった」 佐賀の女性殺害で県警本部長説明

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大村久
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 佐賀県鳥栖市で起きた女性殺害事件で、佐賀県警の松下徹本部長は22日の定例会見で、発生を把握してから4日後の容疑者逮捕まで事件を発表しなかったことについて「事件、事故の両面で捜査したが、初動捜査から得られた情報のみでは確定的な判断が困難だった」と説明した。一方、事件から3日後にずれ込んだ司法解剖については、今後はもっと早く実施できるよう改善するという。

 事件は10日に発生。鳥栖市酒井東町の民家敷地で女性(79)が頭から血を流して倒れており、搬送先で死亡が確認された。県警が嘱託契約している佐賀大学病院との調整の結果、司法解剖は3日後の13日午後に行われ、県警はその間、事件と判断できなかった。他に嘱託している福岡県内の3病院とは調整していなかった。

 松下本部長は「県民から地域の安全安心に不安があがっていることは承知している」と述べ、司法解剖を「迅速に行う取り組みを進め、事件の全容解明に全力を尽くす」と述べた。今後、佐賀大学病院がすぐに対応できなければ福岡県内の3病院に依頼するほか、福岡県内と長崎県内の病院と新たに契約を結ぶ調整をしているという。

 佐賀県警では、2019年に福岡県太宰府市で起きた女性暴行死事件で、事件前に女性の遺族から相談を受けていたのに事件化していなかったとして批判を浴びた。県警は「ただちに危害が及ぶ可能性があるとは認められなかった」と説明している。

 22日にあった佐賀県警の定例会見。報道陣からは、鳥栖市で起きた女性殺害事件での県警の初期対応に関する質問が相次いだ。事件への対応をめぐっては、2019年に福岡県太宰府市で起きた女性暴行死事件でも、事件前に女性の遺族から相談を受けていたのに事件化していなかったことが問題視されたばかり。約1時間50分にわたる会見中、鳥栖の事件に関する質問は約1時間半に及んだ。県警はこの間、報道陣に撮影を認めず、冒頭に松下徹本部長が説明。事件発生から3日後となった司法解剖については「迅速に行う体制を構築する」と述べた。その後の質問には主に中原和雄刑事部長が答えたが、回答は質問とかみ合わず、同じ説明を繰り返した。報道陣との主なやりとりは次の通り。(大村久)

 ――事件性を排除できない以上、迅速に司法解剖すべきだったと思うが

 9月10日から事件・事故の可能性を念頭に置いて発生現場の状況確認、付近における聞き込み、遺体の確認を行った。得られた情報から判断は困難だった。

 ――司法解剖は佐賀大以外と調整しなかったのか

 原則として佐賀大に嘱託している。困難な場合は福岡県の三つの大学に嘱託している。日時は、嘱託している佐賀大との調整の結果、13日に実施となった。

 ――なぜ事件を早く公表しなかったのか

 公表は事案の概要、事件性の…

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