中古スマホ、じわり活況 「セット販売」禁止きっかけに需要増

橋田正城
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 中古スマートフォンの取引が活発になっている。MM総研によると、2020年度の国内販売台数は過去最高の185万台で、25年度には268万台に達する見通し。19年の法改正でスマホの端末代と通信料の分離が義務化され、端末代が注目されるようになったほか、他社回線を使えないようにする「SIM(シム)ロック」の即時解除が同じ年に義務化されたことも追い風になっている。

 スマホは以前、端末と通信契約のセット販売が慣行だった。中古スマホ販売Belong(東京都)の井上大輔社長は、両者の関係をクルマとガソリンに例え、「うちのガソリンスタンドを使えば新車は無料」というビジネスモデルだったと話す。その関係が端末代と通信料の分離で崩れ、クルマが無料ではなくなったため、安さを求めて中古を選ぶ人が増えたという。

 井上氏は伊藤忠商事の社員で、19年に社内起業した。商社のネットワークを使い、海外などから買い取った中古端末を国内で販売している。主に、発売から数年過ぎたiPhoneを2万円前後で扱う。

 一方、海外に販路を求める動きも。丸紅子会社のモバイルケアテクノロジーズ(横浜市)は、国内企業などから月に数万台の端末をiPhone中心に買い取り、アジアのほか中東や欧米の企業に売っている。助川敬太郎社長は「国内市場は拡大してきたが、まだ中古端末は一般的ではない。海外の方が市場が大きく、価格も高い」。実際、スマホ全体の国内出荷台数は年間約3千万台に上るが、中古販売は6%弱だ。ただ、その分だけ「伸びしろ」が期待できると話す業界関係者もいる。

 関西大の宮本勝浩名誉教授がゲオの協力を得て分析したところ、使われずに自宅で保管されている「埋蔵携帯」の価値は、2兆9931億円に上るという。宮本氏は「中古端末は、スマホとして再利用するニーズだけでなく、レアメタルの利用源としても価値がある。もっと市場に出されるべきだ」と指摘する。(橋田正城)

〈メモ〉Belongは、ウェブサイト「にこスマ」(https://www.nicosuma.com別ウインドウで開きます)で中古スマホを販売している。神奈川県にあるオペレーションセンターで「国内最高水準」の技術で端末を検査し、データを消去して販売しているという。