いつでもどこでも紙すき 移動体験車を導入 西嶋和紙組合

岩城興
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 400年以上の伝統があるとされる山梨県身延町の特産「西嶋和紙」を、実際に手すきできる移動体験車が完成し、17日町内でお披露目された。「西嶋和紙工業協同組合」が導入した。県内のほか静岡県や首都圏などに、フットワークも軽く、和紙の魅力をPRしていくという。

 組合によると、これまでも町施設「西嶋和紙の里」で体験でき、卒業証書を手すきする小中学校もある。しかしコロナ禍で来場者が減少。和紙の売り上げも、書道展や教室の休止で大幅に減り、苦境が続く。

 移動体験車は、打開策として打ち出した。紙をすくふねや脱水機、乾燥機など道具一式を搭載できるよう、軽トラックに手を加えた。荷台のカーゴボックスは左右後方の3方向に開き、スムーズに準備ができる。

 これまで出前体験では複数台のトラックを使ってきた。特に乾燥機は重さが100キロ以上あり、道具の上げ下ろしは6人がかり。体験車の導入で、1人でもできるようになった。側面には町キャラクター「みのワン」をあしらった。町が費用380万円を補助した。

 17日には、町立身延清稜小学校に初めて出張。全校児童約50人が紙すきを体験した。組合の笠井一洋代表理事(60)は「大いに活用し、販路の拡大や若い人材の確保につなげたい。ピンチをチャンスに変えていく」と話した。(岩城興)