恒大集団の経営危機は「中国の不動産業の問題」 日銀・黒田総裁

津阪直樹
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 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は22日、中国の不動産大手・中国恒大集団の経営危機問題について「国際金融市場に及ぼす影響も含め、状況を注視していきたい」と述べた。中国恒大を巡っては世界の主な金融市場で株価が一時急落するなどし、世界的な金融危機に発展する恐れが指摘されている。

 金融政策決定会合後に開いた記者会見で答えた。黒田総裁は「株式市場を中心に国際金融市場で神経質な動きが見られ、そのリスクは認識されている」と指摘。ただ、「あくまでも当該企業、中国の不動産業の問題として捉えるのが適切」とも述べ、同様の問題が他に起こる可能性は今のところ低いとの見方も示した。

 日銀は22日の金融政策決定会合で、現在の大規模な金融緩和の維持を決めた。国内の景気判断も「新型コロナウイルスの影響で引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」とし、これまで通り維持した。黒田総裁は景気判断を据え置いた理由について「感染力が強いデルタ株の流行で個人消費は足踏み状態となっているが、企業部門は輸出や生産の増加を受けて収益が改善し、設備投資の持ち直しにつながるという前向きのメカニズムが働いている」などと説明した。

 日銀はこの日、気候変動対策につながる金融機関の投融資を支援する新たな枠組みについて、12月下旬に始めることなど制度の詳細も決めた。(津阪直樹)