空港に着いても飛行機乗れず コロナ下の海外渡航取材の難しさを実感

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吉田純哉
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 スポーツ部に所属する記者は9月上旬、サッカー日本代表の取材で中東のドーハに出張した。成田空港まで行きながら、カタール政府の渡航許可がおりず、飛行機に乗れない事態にも見舞われた。コロナ下で海外に行く困難さを痛感した5泊6日の旅程だった。

認められない接種証明書

 出発までに二つ書類をそろえた。「PCR検査の新型コロナウイルスの陰性証明書(到着72時間以内)」と「ワクチン接種証明書」だ。書類に不備がないように、PCR検査はカタール政府公認の医療機関で受けた。公認機関は全国で四つという。

 悩ましかったのは「ワクチン接種証明書」だ。日本では自治体が発行しているが、電子化されておらず、カタール政府は認めていない。そのためカタール国大使館(東京都港区)に出向いて、自治体発行の書類が本物だとする認め印を押してもらった。印代は3500円かかった。

 この書類とパスポートのデータを、カタール政府のウェブサイト「Ehterazウェブ」にアップ。これで審査をしてもらって許可はおりると思い、もう一方の「陰性証明書」の準備に入った。出発予定は9月3日夜。2日前の1日午後1時ごろに公認病院でPCR検査を受け、当日夜には陰性証明書をもらった。

 ここまでの手順は観光でも同じだ。在カタール日本国大使館の入国概要(8月29日時点)では「30日間の観光ビザの免除(無料)は再開されている」。記者は別途、2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会の組織委員会を通して取材許可を得ており、これで渡航準備は整った。

「今、審査している」繰り返す返答

 だが、事は想定通りには運ばなかった。「Ehterazウェブ」での審査がなかなか「渡航許可」に変わらない。カタール政府の担当部署に電話を何度かけても、「今、審査している。待っていてください」という返答を繰り返すばかりだった。

 陰性証明の時間の制約もあって、見切り発車で成田空港へ。移動中もそわそわして、ウェブを確認したが、「審査中」のまま。カタール航空の出発カウンターの前で待っても、「渡航許可」はおりなかった。予約していた飛行機に乗れなかった。都内の自宅にとぼとぼと引き返した。

 結局、1日に申請した「渡航許可」がおりたのは4日夕方。PCR検査の期限72時間以上が過ぎており、4日に再度PCR検査を受診。改めて「Ehterazウェブ」に申請すると、今度はわずか4時間ほどで「渡航許可」が出た。拍子抜けするほどだった。W杯カタール大会の組織委に聞くと、「出発国によって対応が異なるようだ」との返答。日本よりも感染拡大のリスクが低いと認定されているドイツから出発した他社の記者はすぐに渡航許可が出たと聞いた。

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入国後も取材のハードル

カタール入国後には、スマホに政府のアプリのインストールしました。政府はこのアプリでコロナの健康管理しています。表示の緑色ではなくなると、行動制限を求められます

 2日間ほど遅れたが、渡航が…

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