「首都には入らず待機」米との合意、なぜ破った タリバン幹部の独白

有料会員記事アフガニスタン情勢

ドーハ=伊藤喜之
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 アフガニスタンで8月、イスラム主義勢力タリバンが首都カブールに迫った際に、タリバンがただちに首都に入らないという合意を米国と交わしていたことが分かった。ガニ大統領が秘密裏に国外脱出したことで実現しなかったといった経緯などを、タリバンの報道担当幹部が朝日新聞に明らかにした。

 カタールの首都ドーハで9月19日、タリバンのスハイル・シャヒーン報道担当幹部が単独取材に応じた。

 シャヒーン幹部によると、タリバンはカブールを制圧する前日の8月14日、ドーハ市内のホテルで政治部門トップ、バラダル幹部(現在は第1副首相)が、米国のカリルザード和平担当特使らと協議した。シャヒーン幹部も同席していたという。

 各地を制圧し、首都に迫ったタリバンに対し、米国側は「8月末まで」としていた米軍の撤退完了や米国関係者の退避も見据え、当面の間、カブールの市外で待機するよう要請。タリバン側も同意した。

「ガニ政権がすべてを放棄」1日で破られた合意

ゆっくりとした足取りで、記者のホテルの部屋を訪れたシャヒーン幹部。米国と「平和的な権力移行を話し合った」などと振り返りました。記事の後半では、単独インタビューの動画が見られます。

 タリバン側は、ガニ政権からの権力移行に際し、政府職員などを職場にとどめて行政機能を継続させたいことから、強引な首都入りを望まなかった。両者の間では「平和的な権力移行への解決策が見つかるまで、タリバンはカブールには入らない」という合意が取り付けられたという。

 しかし、合意はわずか1日で実現せずに破られることになる。

【動画】タリバンのシャヒーン報道担当幹部が朝日新聞のインタビューに応じた。幹部が明らかにする米国との幻の合意、今後の国造りの方針とは=伊藤喜之撮影

 シャヒーン幹部は「我々は権…

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