タリバン制裁の解除求める中国、米国と対立浮き彫り G20外相会議

アフガニスタン情勢

高野遼=ワシントン、高田正幸=北京、相原亮
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 イスラム主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガニスタン情勢を協議する主要20カ国・地域(G20)外相会議が22日、オンラインで開かれた。米国務省によると、女性の権利尊重をタリバンに求めることで一致した。一方、タリバンへの経済制裁については、維持を訴える米国と解除を求める中国の姿勢の違いが浮き彫りとなった。

 米国務省によると、ブリンケン国務長官は外相会議で「制裁がアフガン市民に与える影響を抑えつつ、タリバンに対する制裁は維持する」との意向を示した。

 米政府は主要7カ国(G7)メンバーと足並みをそろえ、タリバンに対して人権尊重やテロ対策、少数派を含む包括的な政権づくりなどを求めている。タリバンは「人権を守る」などと表明しているものの、実際に行動で示すまでは制裁を維持したい考えだ。

 一方、中国外務省によると、中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は「制裁を政治圧力のカードとすべきではない」と訴えた。米国や北大西洋条約機構(NATO)の拙速な撤退が混乱を招いたと非難し、人道支援や難民問題に取り組むよう求めた。

 中国はタリバンとの意思疎通を続けて包括的な政権づくりを促す方針。ロシアなどと協調して情勢の安定化をはかる姿勢を示している。

 日本外務省によると、茂木敏充外相は「タリバンに対し、多様な民族や宗派を含む包摂的な政治プロセスや、女性らの権利尊重を統一したメッセージで求めていくべきだ」と訴えた。(高野遼=ワシントン、高田正幸=北京、相原亮)