切り花支出額「日本一」はなぜ? お彼岸でわかった福島市の謎の風習

関根慎一
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 切り花の家計支出額が全国トップクラスの福島市。彼岸中日の23日、それを裏付けるかのように、市内の生花店にはお供えの花を求める墓参客が早朝から次々に訪れた。先祖以外の墓にも幅広く花を供える風習が支出の拡大につながっている、という。

 2020年の総務省家計調査によると、福島市の1世帯あたりの切り花への年間支出額は1万6275円。県庁所在地と指定市の全国52都市で首位となっており、2位の仙台、鹿児島両市(1万1409円)を引き離し、最下位の福岡市(3797円)の4倍以上になっている。福島市を含むJAふくしま未来の管内は有数の菊の産地で、「花王国」でもある。

 福島市で5店舗を展開する生花店「花の店サトウ」。同市笹谷のこすもす店では23日、開店1時間前の午前8時から来店客が相次ぎ、約10組がいち早く墓参用の菊やリンドウの花束を買い求めていった。

 専務の佐藤純男さん(44)は「福島の人たちは墓参りや仏壇への供花を欠かさず、墓参ではご先祖だけでなく、親類や世話になった恩師の墓にも花を供えたりする」と、「日本一」の謎を解説する。

 同店で5束を買い求めた市内の遊佐登與枝(とよえ)さん(82)は亡夫の命日と春秋の彼岸、お盆に墓参するという。「亡くなった夫と、近くの親戚のお墓にも供える。昔からの風習ですよ」と話した。

 同店ではコロナ禍が続くこの2年、秋の彼岸シーズンの売り上げが1~2割ほど増えた。佐藤専務は「シルバーウィーク期間中の遠方への外出が減り、近場での『密』にならない墓参が増えたのでは」とみる。(関根慎一)