東京都内で確認された新型コロナウイルスの感染者のうち、検査時点で症状がない患者の割合が10%台前半で推移している。一方で、厚生労働省はコロナの「診療の手引き」で、無症状のままの感染者の割合は30%前後との推定を記している。都は街中で無料で受けられるPCR検査で感染の予兆を探るが、専門家は、感染に気づかずに日常生活を送る潜在的な感染者の存在を指摘する。
「同居人や高齢者施設での接触ではないので、濃厚接触者にはあたらない。検査対象ではない」
西日本に住む会社員の男性(24)は、都内の保健所からの回答に驚いた。
都内の実家に帰省した男性は8月上旬、友人4人とキャンプ場でバーベキューに行った。その後、男性以外の4人全員が発熱し、陽性が判明した。キャンプ場から帰る2時間ほど、同じ車内で過ごしたが、保健所は、無症状の男性が濃厚接触者ではないと判断した。
「検査してもらえないのか。濃厚接触は何を指すのか」。男性は保健所にそう訴えたが、検査不要の判断は変わらなかったという。公共交通機関を使って西日本にある自宅に帰らなければならず、対応を尋ねたが「地元の保健所に聞いてほしい」と返されたという。
60代の両親が暮らす実家で…

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