アラブ系イスラエル人初の金メダル 私を変えたユダヤ系コーチの言葉

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荒ちひろ
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 東京パラリンピック競技初日の8月25日。イヤド・シャラビさん(34)は、哀愁漂うメロディーのイスラエル国歌が流れる競泳会場で、白地に青い六芒星(ろくぼうせい)の描かれた国旗が一番高いところへ揚がっていくのを見つめていた。4度目の大会で、ついにつかんだメダル。同時に、イスラエルの人口の約2割を占めるアラブ系として、五輪・パラリンピックを通じて初のメダリストとなった歴史的な瞬間だった。

 イスラエル北部のアラブの町出身。生まれつき耳が聴こえない。12歳のころ、親戚の結婚式で花火を見ようと登った屋根から落ち、生死をさまよった。半年後、奇跡的に意識は戻ったが、首から下に重い障害が残った。

 何にも興味が持てず、自分の状況に絶望する中で連れて行かれたプールでのリハビリも、最初は全くやる気が起きなかった。だがそこでコーチのヤコブ・ベニンソンさんに「水に浮く姿勢が良い」と才能を見いだされた。

 「君が何ができるかを、私は…

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