対中国ミサイル網「米軍の生存能力高める」 前インド太平洋軍司令官

有料会員記事

ワシントン=園田耕司 聞き手・園田耕司
[PR]

 今年4月まで米インド太平洋軍司令官を務めたフィリップ・デービッドソン元海軍大将が23日、朝日新聞のインタビューに応じ、中国の軍事力の増強で「米軍の抑止力が侵食されている」と強い危機感を示した。同軍が策定した九州・沖縄を含む第1列島線に沿って対中ミサイル網を構築する計画が、米軍の抑止力を高める効果があると強調した。

 デービッドソン氏は今年3月の米上院公聴会で、中国は「今後6年以内」に台湾に侵攻する可能性があると警告したことで注目を集めた。同氏はインタビューで中国の軍事力について「米国との能力差を縮めている」と指摘。その理由として、▽最新鋭戦闘機や弾道ミサイル極超音速(ハイパーソニック)ミサイルへの投資▽尖閣諸島や台湾、南シナ海の周辺での訓練の習熟▽中国軍の再編▽兵員輸送など後方支援の強化――を挙げた。とくに米領グアムまで射程に含む「グアムキラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイル極超音速ミサイルの開発で「安全保障のパラダイム(枠組み)は大きく変わってきている」という見方を示した。その上で、「6年以内」としたことについて「習近平(シーチンピン)国家主席自身の(4期目)続投という政治的野心もある。これらの問題を考慮し、このタイミングが(台湾侵攻の)脅威があると判断した」と語った。2027年が習氏の4期目に向けた節目の年になることを理由に挙げた。

 中国の軍事力増強に対抗し、米インド太平洋軍が進めている第1列島線に沿って射程500キロ以上の地上発射型ミサイル網を構築する計画については、「防衛だけでは(敵国を)抑止できない。敵国は、(攻撃に出た場合に)自分たちの支払うべき経済的・軍事的なコストが跳ね上がるという懲罰的な措置があることを知る必要がある」と指摘。ミサイル網は「5~6年にわたって米国内で広範囲に議論されてきたものであり、インド太平洋地域の米軍の抑止力を高める」と強調した。「米国の艦船や基地など、米国の全てのアセットのサバイバル能力を高めるものだ」とした。

中国は「6年以内」に台湾に侵攻する可能性がある――。米インド太平洋軍司令官在任時にそう語ったデービッドソン氏。軍事力を増強する中国に対し、どう対応していくのか。インド太平洋地域の今後は。記事後段では、インタビュー内容を一問一答で詳しくお伝えします。

 ただ、デービッドソン氏は「…

この記事は有料会員記事です。残り2436文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら