中国と台湾のTPP加盟申請 問われる日本の立ち位置

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若井琢水
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 環太平洋経済連携協定(TPP)について、中国と台湾が相次いで加盟を申請した。日本政府はひとまず、台湾への「歓迎」を表明し、準備状況を「見極める」とした中国とは扱いに差をつけた。中台の対立に配慮しつつ、今後、どう交渉を進めるのか。日本は難しいかじ取りを迫られる。

 台湾の加盟申請について、日本の関係閣僚は一斉に「歓迎」の意向を表明した。TPP担当の西村康稔経済再生相も24日、台湾について「自由、民主主義、基本的人権、法の支配、こういった基本的価値を共有し、緊密な経済関係を有する重要なパートナー」と強調。これに先立つ中国の申請に対しては「(TPPの)極めて高いレベル(のルール)を満たす用意があるのかどうか、見極める必要がある」としたのとは、対照的な対応だ。

 台湾は日本にとって、貿易額(2019年)が中国、米国、韓国に次いで4番目に大きい重要な貿易相手だ。ハイテク産業をめぐる米中対立が激しさを増すなか、その鍵を握る先端半導体の生産拠点が集中する台湾は、経済安全保障上も重要性が増している。日本との貿易も半導体などの電子部品が多くを占める。このため、すでに加盟交渉入りが決まっている英国とともに、TPPに巻き込むことで、関係を強めることには前向きだ。

 しかし、中国は台湾の加盟申…

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