各国の中央銀行とIT企業が火花 仮想通貨を巡る主導権争い、背景は

会員記事

稲垣千駿、細見るい、津阪直樹
[PR]

 中国人民銀行が、暗号資産(仮想通貨)の関連サービスを全面的に禁止すると発表した。暗号資産を巡っては、IT企業と各国の中央銀行の間で主導権争いが激しさを増し、先行する民間の動きに中央銀行が規制をかける動きが強まっていた。今回の決定もその延長線上にあるとみられる。

 暗号資産は近年、急速に取引が拡大。日本でも相次いで取引所ができ、投資家に普及し始めている。情報サイトの「コインデスク」によると、代表的な暗号資産であるビットコインの価格はこの5年間で70倍ほどに値上がりしている。24日は人民銀行の発表前の午後5時ごろは1コインあたり4万5千ドル(約500万円)だったが、発表直後に一時10%近く急落し、4万1千ドルを割り込んだ。

 中国当局はこれまでも価格変動が大きく、マネーロンダリングの温床とみられてきた暗号資産の取引を制限してきたが、中国に住む人も海外の取引所を通じて取引することは可能だったとみられる。今回は海外の取引所を通じた売買も禁止して、「穴」を完全にふさぐことにした。さらに、中国が世界シェアの約半数を占めるとされる「採掘(マイニング)」についても、国家発展改革委員会は採掘業者への取り締まりを強化する通知を出した。

 今回の決定は「デジタル人民元」への布石でもある。中国人民銀行は北京冬季五輪がある2022年冬に主要国で初となる中央銀行によるデジタル通貨の発行を目指している。このタイミングでの強硬な措置には、民間の暗号資産に後れを取るデジタル人民元の普及を後押ししたい考えも透けて見える。マネックス仮想通貨研究所の大槻奈那所長は今回の規制強化は「相当広く網をかけるように聞こえ、これで中国での仮想通貨への投資は不透明になる」とみる。

 欧州中央銀行(ECB)は7…

この記事は会員記事です。残り544文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。

【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら