カナダで拘束のファーウェイ副会長、米と司法取引 中国へ向けて出国

ニューヨーク=中井大助
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 米国から詐欺罪などで起訴され、カナダで拘束されていた中国通信機器大手・華為技術ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)(49)が24日、米司法省との司法取引に応じた。孟氏は無罪を主張しつつ、「金融機関に虚偽の説明をした」という司法省側が主張する事実関係を争わないことに同意した。

 これを受け、米側はカナダへの引き渡し請求を放棄し、カナダ・バンクーバーの裁判所は同日、孟氏の釈放を決定。カナダのCTVテレビによると、孟氏は同日夕、中国行きの飛行機でカナダを離れたという。

 孟氏は、ファーウェイ創業者の任正非・最高経営責任者(CEO)の娘。2018年12月にバンクーバーの空港で、米国の要請を受けたカナダ当局によって逮捕された。中国は逮捕に強く反発し、米中関係のさらなる緊張につながった。今回の司法取引によって、ある程度の緊張緩和に向かう可能性がある。

 今回の司法取引は「起訴猶予合意」と呼ばれ、企業などに用いられることが多い制度で、個人に適用されることは比較的珍しい。合意内容によると、孟氏はイランにあるファーウェイの関連会社について「取引先だ」などと、金融機関に虚偽の説明をしたとの事実関係を認めた。22年12月まで合意に反する発言などをせず、他の違法行為もなければ、米側は起訴を取り下げる。

 バンクーバーにとどまることなどを条件に保釈中だった孟氏は24日、ビデオ会議システムを使ってニューヨークの裁判所に出廷した。裁判官から合意を受け入れるか問われ、「はい」と答えた。その後、カナダの裁判所に直接出廷し、釈放の決定を受けた。ロイター通信によると、決定後には報道陣に「人生がひっくり返った」としつつ、「世界中の人から受けた好意は忘れない」と述べたという。

 孟氏を米国へ引き渡すかどうかを決めるカナダの審理は8月に結審していた。早ければ年内にも裁判所が決定を出す見通しだった。(ニューヨーク=中井大助