本が値上げ?投稿サイトで芥川賞? 講談社×アマゾンは改革か破壊か

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聞き手・赤田康和
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 講談社がアマゾンと取次会社を経ない直接取引を始めた。出版流通に詳しい植村八潮・専修大教授(出版学)は両社の直接取引について「講談社が取次会社と心中する気はないという宣言をした」と読み解く。出版界では業界再編が進み、「取次会社外し」ともとれる動きが生じている。再編はどこまで進むのか。ネット時代の荒波にもまれる出版界を見つめてきた植村さんに、その未来を大胆に予測してもらった。

うえむら・やしお。1956年千葉県生まれ。東京電機大工学部卒、東京経済大大学院博士課程修了。博士(コミュニケーション学)。東京電機大学出版局長を経て、2012年、専修大文学部教授に就任。電子書籍の普及・推進のために出版業界が設立した「出版デジタル機構」の社長、会長を務めた。日本出版学会会長、情報メディア学会会長などを歴任。日本の電子書籍の標準化や普及に実務と研究の両面で長く取り組んできた。

 紙の出版市場の縮小傾向が続く中、「出版社」「取次会社」「書店」という3者の結束が崩れ、流通網の再編が始まりつつあります。従来の流通網を守ってきた講談社がアマゾンとの直接取引に踏み切ったことで、再編の流れは加速するでしょう。

講談社の「取次会社と心中しない」宣言か?

 出版流通には「書籍・雑誌の物流」「情報の流れ」「お金の流れ」の三つがあり、この流通網を束ねていたのが取次会社でした。

 「物流」の中心は雑誌で、漫画誌など発売日の決まった週刊誌を全国の書店に配送するトラックに、本も載せて運んできました。かつては100万部以上売れた雑誌が複数あったものの、最近では雑誌の売り上げの落ち込みが厳しく、1冊あたりの輸送コストが上がってしまいました。コロナ禍の巣ごもり特需があって、一息つきましたが、それでも取次会社の経営が苦しいことに変わりはありません。ドライバーの人件費も高騰しています。

 しかも、書店で売れずに取次会社、そして出版社へと返送される「返品」は取次会社と出版社の経営に悪影響を与えています。昨年の返品率は書籍が33%、雑誌が40%でした。

 取次大手の日本出版販売(日…

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