自分も相手も大切に 障害者の性教育に取り組む 千住真理子さん
小若理恵
障害がある若者が学ぶ大阪府松原市の福祉施設「ぽぽろスクエア」では、人が豊かに生きる土台となる性教育「こころとからだの学習」に取り組んでいます。先駆的な授業を始めた経緯や思いを元教員の千住真理子さん(69)に聞きました。
――性教育を始めたきっかけは。
公立中学で音楽教諭として出発しました。大学で音楽と障害児教育を学び、35歳で支援学級の担任になりました。その後、支援学校に勤務し、20年ほど前から性教育を始めました。
命の根幹に「性」があります。思春期を迎え、友だちの体に触ったり、性毛やすね毛をそったりする生徒を前に、「体や心が変化していることを伝えたい」と、手探りで授業を積み重ねていきました。
初めての授業は、男女の体の違いや内臓についてでした。いつも落ち着きのない生徒が集中して授業に参加する姿を見て、「知りたかったんや」と実感しました。
――日本の性教育は遅れてい…