「地震がおきたら草を」 モンゴル版「防災カルタ」 作成者の思いは

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木村俊介
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 「洪水に気をつけて、高いところにゲル(移動式住居)を建てなさい!」「地震がおきたら草をつかみなさい」――。そんなモンゴル事情を盛り込んだ「防災カルタ」ができた。原案はモンゴルの子どもたち。地震や噴火、暴風雨など災害への対応のほか、「川を汚さない」「ゴミをむやみに捨てない」「横断歩道を渡る」といった日常生活での注意喚起、新型コロナ対策もある。

 名古屋大学やモンゴルの非常事態庁などのチームは2017年秋から、モンゴル西部のホブド県でJICA(国際協力機構)の防災啓発事業を進めている。チームによると、もともとモンゴルは地震が多い国。しかもホブド県はモンゴルの中でも地球温暖化の影響が大きい地域で、自然災害への意識が高いという。地域の住民と一緒に災害への備えを考えようと、19年2月からカルタづくりを本格的に始めた。

 まず、地元の子どもたちに絵札や読み札の原案をつくってもらい、モンゴル国立大非常勤講師のナラマンダハさんが詩を、名古屋大の石井祥子研究員が絵を完成させた。東京への留学経験があるナラさんは「モンゴルには、カルタで遊ぶ文化はありません。当初は本当にできるのか不安でしたが、石井さんと2人だから完成させることができました」と話す。モンゴルの詩には韻を踏む文化があり、表現を工夫したという。

日本への留学経験があり、詩の制作に関わったナラマンダハさん。「すごく難しくて、すごく楽しかった」そう。オンライン取材で制作時のことを聞きました。記事後半で紹介しています。

 完成したカルタは、頭文字の…

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