巨人・菅野智之との投手戦、八回の打席で 阪神の先発高橋遥人

KANSAI

伊藤雅哉
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(25日、プロ野球 阪神タイガース3―0読売ジャイアンツ)

 1軍合流は100試合以上が終わってから。阪神の高橋遥人には「僕は遅れてきた」という負い目がある。だからバットを持っても必死だ。

 1点リードの八回1死、左打席に入った。相手は巨人の菅野智之。2―2と追い込まれてからの5球目、149キロをファウルにした。6球目、スライダーを振り三遊間を抜いた。今季初安打。近本光司、中野拓夢の連続二塁打を呼び、貴重な2点が入った。

 「そんなに打撃は得意じゃない。たまたまです」。緊迫の投手戦が続き、走者もいない。それでも打席で手を抜き、投球に体力を温存するという考えは、この左腕にはなかった。

 普段は穏やかな青年だ。新人時代、食事会場で同席した金本知憲前監督は、口数の少ない高橋が同僚とどんな話をするのか観察したという。黙々と食べるだけだったそうだ。矢野燿大監督はこう見る。「マウンドでは人が変わる。打席でも。チームに影響を与えられる投手」

 投球は圧巻だった。まっすぐ、カットボールを軸にカーブで緩急もつけ、あらゆる球種で空振りが取れた。八回まで二塁を踏ませず、九回は1死満塁を背負ったが、丸佳浩、亀井善行を退けてプロ4年目で初完封を果たした。九回でも150キロを計測し、奪三振は13を数えた。「めちゃくちゃうれしかった。ここまで来たら完封したかった」

 キャンプ中に右脇腹を痛め、先発はまだ3度目だ。残された時間で「チームを助けられるように」との思いを秘める。役に立てたという実感が、25歳を少し大胆にしたのだろう。試合後、珍しく、両手を広げてファンに手を振った。伊藤雅哉

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