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コロナ治療のステロイド、投与早すぎると症状悪化の恐れ 報告相次ぐ

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竹野内崇宏
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 新型コロナウイルスの治療に使われる「デキサメタゾン」などのステロイド薬をめぐり、使うのが早すぎると、かえって病状が悪化するとの報告が国内外から相次いでいる。自宅療養をする人が事前にもらう場合もあり、医師らは指示に基づいて適切な時期に服用するよう呼びかけている。

 ステロイドには過剰な免疫による臓器へのダメージを抑える作用がある。国内では「デキサメタゾン」などのステロイドの使用が認められている。肺炎が悪化し、酸素吸入が必要な「中等症Ⅱ」や、人工呼吸器を着ける「重症」の患者が対象だ。

 新型コロナの感染拡大で、通常なら入院するような肺炎患者が自宅療養せざるをえない例が続き、厚生労働省は5月、在宅で服用できることを診療の手引に明記。8月には、急変に備えて早めにステロイドを手渡す「事前処方」ができることも追記した。

 ただ、ステロイドは患者の免疫を抑えるため、使うタイミングが重要だ。

 酸素吸入までは必要のない「中等症Ⅰ」の段階などで使うと、体内のウイルスの増殖が抑えきれず病状が重くなることが当初から懸念されていた。血糖値を上昇させ、糖尿病が悪化するなどの恐れもある。

 千葉大学などの研究チームは今月、ステロイド抗ウイルス薬より先に投与すると、症状が悪化する恐れがあると、米科学誌プロスワンに発表した(https://doi.org/10.1371/journal.pone.0256977別ウインドウで開きます)。同大病院の患者約70人を分析。ステロイド投与が先の人は、抗ウイルス薬の投与が先の人よりも、人工呼吸器をつけたり、ICU(集中治療室)に入ったりする割合が2倍以上高くなった。

 重症患者の治療にあたる千葉県救急医療センターの松村洋輔・集中治療科部長によると、ステロイドだけを発症後すぐに使ったり、ステロイド抗ウイルス薬より先に投与されたりした患者は、一般的な患者がたどる経過よりも急速に肺炎が悪化して搬送されてくる場合があるという。

 松村医師は「酸素投与が必要な段階ではステロイドは有効だと感じるが、タイミングが早すぎれば毒にもなりうる。一部の医療現場で、最新のエビデンスが確認されず投与されている恐れがある」と指摘する。

 米在郷軍人病院などの研究チ…

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