テレビジャックの苦い経験は生きたか 総裁選TV報道、今回は変化も

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逢坂巌・駒沢大准教授(政治コミュニケーション)

 自民党総裁選が連日テレビで報じられ、野党から批判の声が上がる。総裁選のテレビでの報じ方はどうあるべきなのか。放送局の役割を定めた放送法を補助線に、総裁選を巡る放送の意味や、今回の総裁選で見られた「変化」を、逢坂巌・駒沢大准教授(政治コミュニケーション)に聞いた。

 放送法は第1条で「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」や「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」などの原則に従って「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ること」を目的としています。

 有権者には、国のリーダーがどのような人物かを知る権利があります。自民党の総裁選は実質的に政治の最高権力者を選ぶものですから、テレビが候補者たちの政策や人物を様々な角度から報じることは、放送法の目的に大いに適合します。「放送時間が多いから控えろ」ではなく、民主主義のためにはどんどんとやったほうがいい。

 人物を報じるなら、本人の都合のいいことばかりではなく、不都合な面、たとえばその人が権力を得たときのリスクなどを報じるのも重要です。今回、テレビで候補者を見ていても、討論のなかでいらだちが隠せなくなったり、何を言っているか分からないのが伝わってきたりします。ただ、この2年間、自民党が選んだトップリーダー2人は連続して、コロナを前に任期途中で自ら退陣を決めざるを得なくなりました。その点、体力や気力、政治的手腕などについても、総裁選の段階で明示的に検証することも重要なのではないでしょうか。

 一方、長時間テレビで総裁選…

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