背中で語る40歳、なぜ信頼されるのか 阪神・糸井が「爪痕」残した

KANSAI

伊藤雅哉
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(26日、プロ野球 阪神タイガース4―3読売ジャイアンツ)

 40歳はこの一振りにかけていた。阪神が1点リードの五回2死満塁。1週間ぶりに先発した糸井嘉男が、巨人3番手の鍵谷陽平の初球、147キロ直球をたたいた。速いゴロが一塁手のグラブの先を抜け、右翼線を転がる。走者一掃の二塁打だ。

 「スタメンで使ってもらって、何か爪痕を残したろうと思って」。制球に苦しむ鍵谷は、直前の糸原健斗をストレートの四球で歩かせていた。四球の後の初球を狙う鉄則通りの一打だった。

 二回にも右翼ポール際へ本塁打性の飛球を放った。ファウルの判定に矢野燿大監督がリクエストを求めたが、結果は覆らず。だが、その2球後を中前へ運ぶ。複数安打は今季4度目だ。

 この日はガンケルが先発で、外国人枠の関係でサンズがベンチを外れた。それで来たチャンスだった。24日の巨人戦は九回の勝ち越し機に三振。ホテルの自室に戻り「じゅうたんが掘れるくらい素振りをした」と、冗談っぽく話した。矢野監督は「ビジターでも早出練習して、あきらめない姿を一番のベテランが見せてくれている」と言う。

 昨季で4歳上の福留孝介(現中日)らが去り、チーム最年長になった。福留は若手に技術指導もしたが、糸井は「僕は孝介さんのように話はうまくない」。どう振る舞うべきか模索してきた一年ともいえる。殊勲打の直後、ベンチで新人の中野拓夢と談笑する姿が見られた。若手に気を使わせず、努力する背中も見せるのが糸井流なのだろう。

 敵地での3連戦で巨人に2勝1分け。優勝争いは、ヤクルトとの一騎打ちの様相を呈してきた。伊藤雅哉

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