短いクレヨン、集めて溶かして再生 「もったいない学ぶきっかけに」
折れたり短くなったりしたクレヨンを回収し、新たなクレヨンとして再生して子どもたちに贈る「マーブルクレヨンプロジェクト」を、岐阜県大垣市の企業3社が共同で始めた。再生したクレヨンを通じ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)について子どもたちに考えてもらうねらいだ。
企画したのは、いずれも大垣市に本社を置く、企業主導型保育事業所を運営するリリフルと染色整理加工業の艶金、総合印刷業のサンメッセの3社。リリフルが、保育事業で廃棄品などを遊びの道具に取り入れていて、金森律子社長が発起人となり、プロジェクトを立ち上げた。
8月初旬から、市内2カ所のショッピングセンターにクレヨンの回収ボックスを設置。回収したクレヨンは刻んで型に入れ、熱して溶かしてから、冷やして固める。複数の色を交ぜることで、大理石の模様のような「マーブルクレヨン」として再生させる。
艶金は、再生したクレヨンを包むための布やひもを廃材から提供。サンメッセは廃紙をSDGsやプロジェクトの説明を付けたノートに加工する。いずれも企業活動の工程で出る廃棄品を活用する。
子ども向けにワークショップを開催し、クレヨンを再生。来年2月までに約5千セットの完成をめざし、市内の保育園や幼稚園、小学校低学年の子どもたちに贈る。2月にはマーブルクレヨンを使った絵のコンテストも企画する。
金森社長は「子どもたちに環境問題などに関心を持ってほしい」と期待する。艶金の墨勇志社長も「子どもたちが『もったいない』を学ぶきっかけにしてほしい」と話した。また、サンメッセの田中信康取締役専務執行役員は「毎年継続し、ほかの企業にも広げたい」と話した。(板倉吉延)
- 【視点】
私も全国の学校で講演をしている中で、講演後のアクションとして、再生チョークを作ってくれた小学生がいました。この行動、一つをとらえるとかなり小さなインパクトに見えるが、学生の間は、周りの人にまず認めてもらいながら、小さな成功体験を積んでいき、
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