平山郁夫らの偽版画流通、元画商と作家を逮捕へ 著作権法違反の疑い

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 平山郁夫(1930~2009)ら有名画家の作品をもとに作られた偽の版画が大量に市場に流通していた問題で、警視庁は近く、大阪市北区で画廊を経営していた元画商の50代の男と、奈良県大和郡山市で工房を営む版画作家の60代の男を著作権法違反の疑いで逮捕する方針を固めた。

 2人は遺族らに無断で贋作(がんさく)を制作・販売し、多額の利益を得ていた疑いがあるという。捜査関係者への取材でわかった。

 版画は画家や遺族の了解の下、枚数を制限して制作・販売する。画家本人や依頼を受けた版画作家が石や銅などで原版を作り、刷った紙に真作の証しとして画家のサインや印を入れるのが一般的だ。1枚しかない絵画と違い、有名画家の真作を1枚十数万~150万円ほどで買えるため、一定のニーズがある。

 捜査関係者によると、2人は共謀し、遺族らの許可を得ずに有名画家の版画の偽の原版を作製。刷った版画に偽のサインを入れて売るなどし、著作権を侵害した疑いがある。版画作家の男が自身の工房で作り、元画商の男が顧客に薦めたり展示即売会場で出品したりしたとみられるという。

 問題は昨年春に発覚した。

 全国約40の画商でつくる日本現代版画商協同組合(日版商、東京)の会員が、平山や東山魁夷(1908~99)、片岡球子(1905~2008)の計10の版画で、真作と色合いやサインが異なるものが流通していることに気づいた。

 その後の調査で日版商の会員だった元画商の男が売った可能性が高いことがわかり、男も関与を認めて画廊を閉鎖した。

 業界団体でつくる臨時偽作版画調査委員会は今年3月、専門機関に真贋(しんがん)の鑑定を依頼。専門機関は5月までに、画商などから問い合わせのあった201枚のうち120枚を贋作と判断した。調査委員会は4月、警視庁に告発状を提出した。

 警視庁はこれまでに、元画商の男の関係先を家宅捜索し、日本人の画家6人のほかにピカソやシャガールら外国の画家6人の版画約80枚を押収。いずれも贋作とみて分析を進めてきた。

贋作が流通していた有名画家の版画

片岡球子

うららかな富士、河口湖の赤富士、桜咲く富士、富士、「冬」版画集「富士四題」から

東山魁夷

秋映、風吹く浜、草青む

平山郁夫

月光ブルーモスクイスタンブール、流沙朝陽

有元利夫

赤い部屋、蒼い風、MAGIC占いの部屋、MAGIC遊戯の部屋、MAGIC雲の部屋、遊戯

※鑑定を任された東美鑑定評価機構などによる。有元利夫は洋画家。ほかは日本画家

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「弁護士に聞いてほしい」元画商との主なやり取り

 元画商の男は5月下旬、大阪…

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