「決めすぎない政治」の次…市民の決断は ドイツ総選挙を読み解く

有料会員記事

ベルリン=国末憲人
[PR]

 ドイツのメルケル首相が進めたのは、一言で表すと「決めすぎない政治」だった。周囲の意見を黙って聴き、無難な落としどころを探る。難民の受け入れや原発廃止など、決断力を示す場面がなかったわけではないものの、変革には極めて慎重だった。

 その政治スタイルへの評価は高い。支持率は任期中一貫して5割以上。8割を超えたことも珍しくない。

 メルケル氏が引退を決めた今回の選挙で、繁栄と安定を享受してきた市民は、大きな変化を望まなかった。次の首相に求めたのは、メルケル氏の路線と手法を踏襲する人だった。

米中対立や権威主義の荒波、路線踏襲で乗り切れるか

 選挙で2大政党が競り合う結果となったのは、それが誰なのか明確にならなかったからだといえる。メルケル氏の政党「キリスト教民主同盟」(CDU)の党首ラシェット氏と、大連立内閣で副首相を務めた社会民主党(SPD)の首相候補ショルツ氏は、ともに穏健派でメルケル氏に似たイメージをアピールしていた。

 ただ、今後の政党間交渉で決まる「メルケル氏に似た後継者」が、メルケル政権下の豊かさと安らぎもそのまま引き継げるとは限らない。

 1990年の東西ドイツ統一…

この記事は有料会員記事です。残り836文字有料会員になると続きをお読みいただけます。